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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.2017 いい加減な記憶
 こんにちは。Y's取材班です。
 先日、すごく久しぶりに『陽のあたる場所』(1951/日本公開1952)を観ました。主演の三人
17歳とは思えない大人のムードを醸し出している華麗なエリザベス・テイラー(以下リズ)
二枚目なんだけど垢抜けなくて優柔不断な
モンゴメリー・クリフト(以下モンティ)
そして、如何にも幸が薄そうで健気な
シェリー・ウィンタース(以下リース)
が素晴らしかったです。ただ、ラストシーンが私の記憶と違っていてちょっと驚きました。ビデオやDVDをレンタルした覚えがないのでTV放送を観たはずなんですが、どのくらい前に放送されたのか調べてみたら、初放送が53年前の1969年『木曜洋画劇場』(東京12ch)で小学生の頃、その次が47年前の1975年『月曜ロードショー』(TBS)で中学生の頃でした。どちらを観たにしても半世紀前の感受性の豊かな頃の記憶なので、勝手な妄想を加えてしまったのかもしれません。
 ご参考まで今回あらためて観たザックリなあらすじは下記のとおりです。
※ネタバレNGの方はスルーされてください。

《超あらすじ》
ボーイを務めていたジョージ(モンティ)がホテルで伯父と偶然会い、伯父が経営する工場の職を得て田舎から出てくる。挨拶に訪れた伯父の家で、資産家令嬢のアンジェラ(リズ)に出会い心惹かれるが、身分の違いから遠い存在に思う。ジョージが身寄りのない同僚のアリス(リース)と映画館で隣合わせになり、帰途の会話で彼女が泳げないことを知る。二人の仲は急速に深まる。
伯父の家のパーティーに招かれたジョージは、再会したアンジェラに好意を告白し、彼女も彼の純真さに惹かれる。その日はジョージの誕生日だった。お祝いの準備をして待っていたアリスは、遅れてきたジョージに妊娠を告げる。ジョージは堕胎を迫るが、引き受けてくれる医者はいなかった。
ジョージはアンジェラとその夏を彼女の家の別荘で過ごし、彼女の両親も二人の仲を認める。二人が別荘で過ごしていることを新聞で知ったアリスから電話があり、ジョージは母が急病と偽って別荘を出る。アリスはジョージに結婚を迫り、承諾してくれなければ二人の関係をみんなにバラすと脅す。
ジョージは仕方なく結婚の手続きをするためにアリスと裁判所に行くが、祝日で窓口が閉まっていた。ジョージはアンジェラとの結婚に邪魔なアリスを溺死させようと、彼女を湖に誘いボートに乗る。アリスのひたむきな愛情を知ったジョージは彼女を溺死させる気持ちを失うが、彼の企みを察して恐怖にかられたアリスが立ち上がったためボートが転覆し、泳げないアリスは溺死してしまう。
裁判にかけられたジョージは殺意があったことは認めるが犯行は否定する。しかし検事の執拗な追及によって判決は有罪となり、死刑が宣告される。敬虔な母と牧師に「アリスの死を望んだ心に罪がある」と諭されたジョージは刑を受け入れる。刑の執行を前にアンジェラがジョージを訪ねる。生涯彼を愛すると言うアンジェラに、自分が死んだら忘れるようにジョージは言う。刑執行の日。アンジェラとの想い出を胸にジョージは刑台に向かう。The End

 以上が今回観たあらすじですが、The Endが出た時、思わず「えっ?」と声が出てしまいました。私の記憶ではアリスは発見されず、こちらも名優レイモンド・バー演じる検事が法廷にボートを持ち込んでまでの執拗な検証や状況証拠だけでジョージに死刑が宣告されてしまいます。そこからジョージが刑台に向かうまでは上記のあらすじと同じですが、記憶にはその続きがあるんです。

《続き》
時が過ぎ、湖畔に佇むコテージ。
ベビーベッドの前で赤ちゃんを抱いている母親の背中。
「まだ思い出せないのかい?まあ、ゆっくり思い出せばいいさ」と老人と思しき男の声。
振り返ったのは
愛おしそうに赤ちゃんに微笑みかけているアリス。
彼女のこめかみの傷跡がズームされて…The End

と、アカデミー賞6部門受賞も吹っ飛ぶ程のC級サスペンスじみたラストシーンです。
 似たような作品と混同したのか、それとも陽のあたらなかったアリスへの同情的妄想でしょうか。
 いやぁ、記憶って本当にいい加減なもんですね(水野晴郎さん風に)。
 そして実にどうでもいいですね。長々と失礼しました。

Y's取材班



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