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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1617 もうすぐ生誕100年シェリー・ウィンタース〜棄てられ殺される女
 巨大な波でひっくり返ってしまった豪華客船の中を数名の生存者が助けを求めるサバイバル映画で『ポセイドン・アドベンチャー』という作品がありました。私は錦糸町駅前の楽天地という繁華街の江東リッツという映画館で12歳の時に観ました。ジーン・ハックマンやアーネスト・ボーグナインら新旧の大スターの中に、得意の水泳でキャストみんなを助けるも心臓発作で死んでしまうぽっちゃりした御婦人が1人おりました。それが今回皆様にご紹介します女優シェリー・ウィンタースです。

 帰宅するなり映画好きの父が私の部屋にやって来て「泳ぎの上手い太った女の人出てたでしょ?若いときは凄い美人だったんだよ」と解説を。早速古い映画雑誌をめくると、なるほど、別人の様なスレンダーなシェリーがそこには居ました。
 長いこと脇役女優として全く目が出なかったシェリーのターニング・ポイントがユニヴァーサル映画会社への移籍。ロナルド・コールマン主演のサスペンスの名作『二重生活』で俄然注目されました。酒場の女役で当然殺されます。
 モンゴメリー・クリフトとエリザベス・テイラー主演の『陽のあたる場所』では、ハンサムなモンティに好意を寄せるも棄てられ、殺されてしまいます!ただ私が納得出来なかったのがシェリーが農家出身というのがピンと来ないのと、泳げないなんて嘘でしょ?ボートが転覆したってスイスイ泳いで水面に上がってきそうでした。
 まあ良い。
 その後、テレビの深夜劇場で出会うシェリーは『重役室』でも『悪徳』でも結局は男に棄てられてしまいます。中には棄てられも殺されない役柄がありました。フランク・シナトラ主演のミュージカル映画『Meet Danny Wilson』がそれで、決して上手くはありませんがシナトラとの歌のデュエットもありました。シナトラの評伝によると撮影中のシナトラとシェリーの相性は最悪、どちらかが怒ってスタジオから出ていってしまうトラブルの連続だったらしいです。

 さて、同じ様なキャラばかり演じてストレスがたまったのか、30代の後半で次第に体がふくよかに。すると巡ってくる役柄がシェリーに向いてきました!
 『アンネの日記』
 『いつかみた青い空』
 『アルフィー』

 シェリーの演技が作品の成功に繋がった!と言っても良いでしょう。
 私が最初に観た『ポセイドン・アドベンチャー』のシェリーは実はまだ52歳の時だったのです。凄く年上に見えたのですが!
 シェリーのフィルモグラフイにはライザ・ミネリが主演したタップダンス・ミュージカルの『ステッピン・アウト』があるのですが、ビデオもDVDも持っていないのでシェリーがどんな役柄だったのか?タップを踏んだのか?分からないのは残念です。

 今回は泳ぎの名手だったハリウッド女優のシェリー・ウィンタースを取り上げました。

天野 俊哉



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