TAP DANCE LOGO
INSTRUCTORS
STUDIO : 戸塚スタジオ
NETWORK
SCHEDULE
EVENTS
COLUMNS
DANCE TEAMS
LINKS
OUR MASTER : 佐々木 隆子
COLUMNS

Vol.1268 生誕100年スティーブ&レイモンド〜ハリウッドの悪役俳優
 このご両人、べつにコンビでも何でもなくて、たまたま1917年5月に生まれ、1940年代から映画やテレビドラマで活躍した俳優であります。唯一共通点と言えば、観客がビビる位凄い悪役俳優だった事でしょうか。

《スティーブ・コクラン》
 ハリウッド映画界で最も良質な作品を提供していたサミュエル・ゴールドウィン・プロダクションの専属俳優からスタート。
 よくみるとハンサム、眉毛が濃くて、胸毛が濃すぎる!人です。
 スティーブは、ミュージカル・コメディで多才な芸を披露していたダニー・ケイとヴァージニア・メイヨ主演「ダニー・ケイの天国と地獄」「ダニー・ケイの牛乳屋」「ヒット・パレード」等で、ただ一人怖い顔をしてダニー・ケイらを脅かす役を演じてました。
 1946年度のアカデミー賞を総なめしたゴールドウィンの名作「我等の生涯の最良の年」をテレビの深夜劇場で観たときも、何故かスティーブだけがイヤな奴を演じていました。
 やがてゴールドウィン映画のヒロインだったヴァージニア・メイヨと共にワーナー映画会社に移籍して、ワーナーきっての大スター、ジェームズ・キャグニー主演のギャング映画「白熱」に出演しました。映画会社を移籍しても悪役、しかも悪いギャング役のキャグニーを裏切って殺される、観客に嫌われる方の悪役でした。
 そんなスティーブですが、まともな役柄もありました。
 ヴァージニア・メイヨとタップ・ダンサーのジーン・ネルソン主演「She's Back on Broadway」がそれで、スティーブさんは再起をかける舞台演出家の役で、しかもヴァージニア・メイヨとはラブシーンもある恋人同士という驚きの展開でした。無精髭ヅラだったり人相の悪さはいつもと同じでしたが、何時もより嬉しそうに演じてました。

《レイモンド・バー》
 人気テレビシリーズ「鬼警部アイアンサイド」や「ペリー・メイスン」で知られるレイモンドも、デビュー当時は悪役俳優でした。
 ハンサムで、ガッチリ体型、低い声が魅力的。
 残念ながら犯罪映画の類いは全く観ておりませんが、ハリウッド映画界の人気コメディアン達と共演した作品は沢山観ました。ハーポ・マルクスとの「ラブ・ハッピー」、ボブ・ホープとの「豪傑カサノヴァ」、ジェリー・ルイスとの「お若いデス」。いたって真面目に悪役演技に徹していました。
 また、フランク・シナトラ主演のドラマチックなミュージカル「Meet Danny Wilson」での強面のナイトクラブのオーナー役や、エリザベス・テイラー主演の名作「陽のあたる場所」での検事役が印象的でした。
 池のボートを転覆させ、泳げない恋人を殺害したモンゴメリー・クリフトを追求するレイモンドの演技に震え上がったものです。でも考えてみると殺害された役を演じた女優シェリー・ウィンタースさんて実際は水泳の名手で、「ポセイドン・アドベンチャー」という映画では名スイマーぶりを発揮していましたっけ。
 さて、レイモンド・バーの映画出演経歴で誰しも不思議に思うのが、1956年の「怪獣王ゴジラ」でしょう。かなり前に輸入ビデオを観ましたが、物凄く驚きました。伝説の東宝映画、オリジナルの「ゴジラ」にアメリカの特派員役のレイモンド・バーの映像をはめ込んだだけだったからです。その時は確か途中で観るのを止めてしまったので、機会がありましたら、冷静に鑑賞し直したいものです。

 今回は1917年5月生まれのハリウッドの悪役俳優スティーブ・コクランとレイモンド・バーのお二人を取り上げました。

天野 俊哉




Copyright 2005 Y's Tap Dance Party. All rights reserved.