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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1584 こんなDVDソフトに出逢った日
 この仕事を始めて今年で35年になります。
 アッというまです。
 私にとってタップ・ダンスの指導と共に大切なのが仕事と仕事の間の時間をつぶす事であります。目一杯仕事を入れれば“時間をつぶす”なんて必要はないのでしょうが、それってサボリ魔の私には向かないのですね。20代の頃に師匠から「あなたたちは時間をつぶすのも仕事なのよ!」と言われてから忠実に守ってます。前置きが長くなりましたが、今回のコラムは『私の人生論』ではなく、単に無駄なDVD情報です。アシカラズ。

 ある日の午後、夜のクラスまで時間がたっぷりあるのでDVDの店でもまわろう!という事になりました。

《1軒目》
 自由が丘駅近くのお店。
 最近、Y's取材班さんが30年前に出演したという『孔雀王』なる作品を探しています。日本映画というよりは香港映画みたいなのでアジア映画の棚をチェック。1980年代の香港映画だとビデオ化までの作品が圧倒的に多い。このお店で名作『スター・ウォーズ』の真似をした映画を2本発見しました。

『宇宙からのメッセージ』
 もう10年以上も前に関内の名画座ジャック&ベティでひまつぶしに観た作品。
 やくざ映画なんか専門の深作欣二監督がハリウッド映画に対抗して東映のスターをズラリ集めて作りましたSF映画。やくざ映画のスターが宇宙服を着ている姿をみた観客が思いきり笑ってましたっけ!

『スター・フォース 未知との遭遇』
 アジア映画コーナーで「買うべきか?買わざるべきか?それが問題だ!」
 DVD片手にハムレットの気分で悩みました。1980年の香港ショウ・ブラザーズ映画だし。でも、タイトル酷すぎませんかね?しかも¥2000は高すぎるかな?という事で棚に戻しました。

《2軒目》
 新宿伊勢丹近くのディスク・ユニオンのシネマ中古販売専門店に移動しました。エレベーターで若い外国人カップルと乗り合わせました。日本語で「3階シネマ 5階ヘヴィメタ」としか表示が無いので案内をしてあげたら5階のヘヴィ・メタルのリスナーでした。

『ウルフェン』
 先の《アルバート・フィニー追悼コラム》で取り上げたアルバートとグレゴリー・ハインズの共演作品。グレゴリーが全くタップを踏まない怖いホラー映画です。でもこのDVDが中古なのに¥4000近くするなんて。私の中古ビデオたったの¥30でしたよ。何故?

《3軒目》
 同じ新宿で大人の映画ファン向け、紀伊国屋書店のDVD専門の店舗。アメリカ映画でも日本映画でもテレビドラマでも古い作品が充実しています。
 《もうすぐ生誕100年》で取り上げた映画プロデューサーのロス・ハンター作品が目の前にドカーン!

『悲しみは空の彼方に』
 製作された時期に既に“往年の”と扱われていた女優ラナ・ターナーが主演し、若手のサンドラ・ディーがラナの娘役を、そしてダグラス・サークが監督したメロドラマの名作。ロス・ハンター自慢の一作ですね。これって新譜だし、今頃発売しようなんてメーカーがあるなんて凄い。

『ザッツ・ダンシング』
 ミュージカル映画からダンス場面ばかりを集めたミュージカルファン向けの名作です。お店で注文してからDVDを製造してくれるオン・デマンドのコーナーで発見しました。日本語字幕入りのDVDは初めてです。最初から最後までタップ・ダンス満載なこの作品については別のコラムでね。

《4軒目》
 西武池袋線沿線の練馬駅近くの広いお店に移動しました。
 嫌な予感が。
 先日亡くなった日本の佐藤純彌監督の作品が目の前にドカーン!一つは佐藤監督の代表作の『敦煌』、もう一つは『北京原人Who Are You?』。『人間の証明』をはじめとする1970年代の日本映画の名作ばかりを監督した佐藤監督の追悼コラムを何故私がパスしたか?その理由が正にここにあるんですねぇ。
 何なの?『北京原人』て。
 変でしょ?Who Are You?
 やはり、最近発売された佐藤純彌監督の評伝を読んでみようかな。

《5軒目》
 以前教室があった大泉学園駅に途中下車しました。線路に沿ったお店にあったのが再びアルバート・フィニーの主演作品にしてアカデミー作品賞を受賞してしまった『トム・ジョーンズの華麗な冒険』。DVD映画ソフト過渡期の2000年頃の商品のせいか、¥6300なんて凄い値段が付いていました。無理無理。
 ちなみに隣の棚には最近病気の告示をした堀ちえみさん主演のテレビドラマの名作『スチュワーデス物語』のDVD BOXがありました。

 結局何も買いませんでしたがかなり笑えるウォッチングでした。Y's取材班さん出演の『孔雀王』よ何処に。
 ではまた。

天野 俊哉



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