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Vol.1582 アルバート・フィニー追悼〜名優なんだけど?
 舞台と映画で活躍したイギリスの名優アルバート・フィニーが亡くなりました。若き日のアルバートは、『スター・ウォーズ・シリーズ』や『プーと大人になった僕』で知られる、こちらも名優のユアン・マクレガーに容姿が大変よく似ておりますね。
(写真 左から、円熟のアルバート/若き日のアルバート/スコットランド出身イギリス国籍のユワン)

 イギリス人の名優というと、先ず思い浮かぶのが、ローレンス・オリビエ、アレック・ギネス、リチャード・バートン、ピーター・オトゥールそしてケネス・ブラナーでしょうか?そう、アルバート・フィニーだって名優なのに日本での認知度はやや低いのです。あの名作『アラビアのロレンス』のオファーを蹴って主演をピーター・オトゥールに譲ってしまった!なる噂があるので、映画出演には消極的だったのかも知れません。

 さて、アルバート初期の代表作と言えば(私的には)何故か1963年のアカデミー作品賞を受賞してしまった『トム・ジョーンズの華麗な冒険』と、オードリー・ヘプバーンと主演した『いつも二人で』でしょうか。私はテレビで『トム・ジョーンズの華麗な冒険』を観るまで、大歌手のトム・ジョーンズの主演作か、そのトム・ジョーンズの伝記映画か何かだと信じておりましたので画面にアルバートが登場した時に違和感を感じてしまい、そのままエンド・マークを迎えてしまったものです。中学生の頃でしたので、現在観直せば評価もかなり変わっているに違いありません。
 1966年の『いつも二人で』はオードリー作品の中では地味な作風でしたが、ロード・ムービーとしては最高に素敵で、オードリーとアルバートの相性がとても良かったのです。私の好きなオードリー作品であります。

 大変申し訳ないのは、私はアルバートのその後の活躍に疎くて、イングリッド・バーグマン、ローレン・バコール、リチャード・ウィドマーク、ショーン・コネリーら往年のハリウッドの大スターが顔を揃える映画として有名なアガサ・クリスティ原作の『オリエント急行殺人事件』にも出演しているアルバートが主役の探偵エルキュール・ポワロ役を演じていた事を今回初めて知りましたし、1982年に映画化されたミュージカル『アニー』での大富豪ウォーバックス役もアルバートだったなんて知りませんでした。アニー役のアイリーン・クインと軽妙にタップ・ダンスを踏むフィナーレ・ナンバーが好きで好きで何度も観ているのに!
 スマン!アルバート。
 タップ・ダンスと言えば、あのグレゴリー・ハインズのデビュー作として知られるホラー『ウルフェン』では凶悪な狼に立ち向かう刑事と検死官コンビをアルバートとグレゴリーが魅力的に演じました。数年前に中古ビデオをゲットして初めて観た(コラムVol.222をご参照)のですが、最近になってDVD発売が発売されましたよ。

 近年すっかりお歳をめして貫禄十分になったアルバートを観たのが、先に挙げた瓜二つのユアン・マクレガーと同じ役を演じたティム・バートン監督作品『ビッグ・フィッシュ』でした。同じ役とは、主人公の若き日をユアン・マクレガーが、アルバートが晩年の主人公を演じた訳ですね。ただあくまでもユアン・マクレガーの映画でしたので、アルバートの出番は少なくインパクトは弱かったのです。
 私の知る限りアルバート・フィニーにはイギリス人特有の嫌味な雰囲気が無かったのかも知れません。そこが俳優にとって不可欠な個性とか、カリスマ性という部分で大いにマイナスだったのかな?とも思います。

 このコラムを打っているまさにその日(2月12日)に、アカデミー主演女優賞を受賞したジュリア・ロバーツ主演の『エリン・ブロコビッチ』がテレビ放映されたのですが、この作品にアルバートが出演している事も今回テレビガイドを見て初めて知りました。かなりの話題作だったのでロードショーされた時にわざわざ映画館まで行きましたよ!今回のテレビ放映も別にアルバート・フィニー追悼ではなくたまたまでした。
 ツイテルゼ!アルバート。

 これからはもっともっとアルバートを意識して彼の主演作品を観てゆきたいと思います。イギリスの名優アルバート・フィニーのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉



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