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Vol.1585 絶体オススメで絶体観てほしいDVD『ザッツ・ダンシング』
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ダンスの歴史を映画の名場面で綴る夢のようなミュージカル映画。製作はMGM映画ですが、ワーナー映画やフォックス映画、さらに記録映画やマイケル・ジャクソンのプロモーション・ビデオまでも幅広く集めています。
1984年に製作され、翌年に日本公開されました。劇場公開に先立ち、東京国際映画祭でのイベントでこの『ザッツ・ダンシング』が上映されるというので、スタジオの先輩佐藤昇先生をお誘いしてNHKホールまで出掛けました。製作スタッフのジャック・ヘイリーJr.とデビット・ニーヴンJr.の二人が舞台上で作品のエピソードを語るというオマケが付きました。良い映画を観てすっかりテンションの高くなった佐藤先生が「ニコラス・ブラザーズのド派手なタップダンス凄いね!」と、今にも踊りだしそうな勢いでした。後年、グレゴリー・ハインズ主演の映画『タップ』の試写会に佐藤先生、淺野康子さん、隆江さん、私の四人で観に行った時も、夜のニューヨークの路上でダンサーがタップ・ダンスを踊る場面に感動された佐藤先生が、新橋のガード下で電車のゴーッという音に合わせて映画さながら突然踊りだして我々を驚かせ、かつ笑わせてくれましたっけ。
もとい。
さて『ザッツ・ダンシング』は以下の5人のダンサー達がテーマごとに登場してナレーションを担当する豪華版です。
@ジーン・ケリー
(ハリウッド映画界でダンサーとして活躍したミュージカル映画の立役者)
ジーン・ケリーが紹介するのは、映画に残されている最古のダンス映像から映画における初期のミュージカル映画、やがて華やかなレヴュー映画まで。100名近いタップ・ダンサーがステップを踏む“ブロードウェイの子守唄”が凄い!
Aサミー・デイビスJr.
(アメリカのショービジネスを代表するエンタテイナー)
サミーが紹介するのは、1930年代のハリウッド映画で活躍したフレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、ビル・“ボージャングルス”・ロビンソン、エレノア・パウエル、ニコラス・ブラザーズ、レイ・ボルジャーら素晴らしいタップダンサー達。
Bミハイル・バリシニコフ
(バレエ界のレジェンド、ハリウッド映画でも活躍した)
このコラムでも取り上げたイサドラ・ダンカン、アンナ・パブロワ、ヴェラ・ゾリーナ、タマラ・トゥマノヴァ、モイラ・シアラー、レオニード・マシーン、マーゴ・フォンテーン、ルドルフ・ヌレエフらビッグネームのバレエをまとめて鑑賞できる。
Cレイ・ボルジャー
(ブロードウェイの名ダンサー、ショーストッパーとして歴史に残る)
MGM映画が誇る2大ビッグネーム、ジーン・ケリーとフレッド・アステアの名場面集。一応MGM映画なんでこのコーナーは黙認しましょうね。
Dライザ・ミネリ
(ダンサーというよりはエンタテイナー、ケリーやバリシニコフとはテレビショーで、サミーとは数々のコンサートで共演。ボルジャーとはライザの母親ジュディ・ガーランドが何度も共演している)
ライザが紹介するのは、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品。ジェローム・ロビンス振付の『ウエスト・サイド物語』やボブ・フォッシー振付の『スイート・チャリティ』も登場する豪華版。
E再びジーン・ケリー
最後に再びジーン・ケリーが登場して1980年代の新しいミュージカル、ダンス映画を紹介するのですが、製作当時の最新作だった『フェーム』『フラッシュ・ダンス』そしてマイケル・ジャクソンの“今夜もビート・イット”までもが登場するのが素晴らしい!
有名無名のタップダンサーが1度にこれだけ登場する映画も珍しく、YouTubeを見馴れた若い皆さんに特にオススメしたいです。
また、主題歌“That's Dancing”の流れるオープニングに映し出されるダンス場面の数々にはワクワクしてしまいますし、レイ・ボルジャーが紹介するMGM映画の名ダンサー達が“In Our United States”の音楽に合わせて次々登場する場面も素晴らしい!ミュージカルを、ダンスを愛している人の編集であります。
そうそう、『2018年のナショナル・タップ・デー』で松本晋一さんが過去のナショナルに参加したダンサー達を数秒ずつスクリーンで見せてゆきましたが、まさにあれのハリウッド版という訳ですね。
注文してから製造・販売するオン・デマンドというシステムの商品ですが、ネット販売もしていますね。ただし、このメーカーの商品はチャプターが10分おきと大雑把です。
今回はミュージカル映画ファンやタップ・ダンスを習っている皆さまに絶体オススメで絶体観てほしいDVD『ザッツ・ダンシング』のご紹介でした。
天野 俊哉
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