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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1534 いくつかの追悼〜浦野光さん・田中信夫さん・穂積隆信さん
《声優・浦野光さん》
 私の様に1960年代から70年代までどっぷりテレビに浸かっていた世代にとって声優さんの存在は大変大きなものでした。
 初めてアメリカの料理番組が日本で放送されたのが、グラハム・カーの『世界の料理ショー』でした(コラムVol.127をご参照)。現アメリカ大統領の若き日に似ているグラハム・カーのウィットに富んだジョークが番組の魅力でしたので、日本語吹き替えを担当した浦野光さんの存在はご本人以上のものでした。ただ、当時の日本ではこの番組で紹介された料理の素材の入手が不可能でしたので、あくまでもショーとして楽しむだけのものでしたが。
 また、ハリウッドの名優ジェームズ・スチュアートの映画でも浦野さんの落ち着いた声がスチュアートの誠実な役柄をより魅力的に見せておりました。実際のスチュアートは、いささかせっかちに吃りながら話すのが特徴なので、実は浦野さんとは真逆なのですが、浦野さんの喋るスチュアートの方が全然素敵でした。まさに《声の俳優さん》だったわけですね。

《声優・田中信夫さん》
 ほとんどの人の記憶に残っていないアメリカの警察ドラマに『特捜隊アダム12』という番組があります。1970年前後にアメリカで放送され、日本では私の中学生時代にテレビ東京でした。バトカーに乗った警察官のマーティン・ミルナーと相棒のケント・マッコードの二人が淡々と事件を解決して行くだけの地味な展開でした(コラムVol.909をご参照)。たまげたのが事件解決には一に銃、二に銃、三に銃というアメリカ警察の徹底した銃尊重の仕事ぶりでした。田中信夫さんは真面目なケント・マッコードの声の担当で、若くてハンサムな警察官を誠実に演じていました。吹き替えの田中さんの名前はあとにも先にもこの番組だけなんですがね。
 ちなみに、10代で初めてハリウッド旅行した時、私達のまさに目の前で本物のアダム12が登場して銃を犯人に向ける場面に遭遇してビビった思い出があります。

《俳優・穂積隆信さん》
 『2009年の東京リズム劇場』で上演した懐かしの青春ドラマ『飛び出せ!青春』のパロディ作品『踏み出せ!青春』。台本が配布された時、私は「物静かな校長か、嫌味な教頭の役か?」と思っていたら何と高校サッカー部員役でビックリしたものです。
 押田勝年君が同じくサッカー部員、淺野康子さんがサッカー部のマネージャー役でした。淺野さんの赤ジャージ姿があまりに似合っていて笑えた!(コラムVol.128255をご参照)
 その本家『飛び出せ!青春』での悪役であり、嫌味な教頭の役を演じていたのが穂積隆信さんでした。手下の柳生博さんとのコンビが絶妙でしたね。主人公の先生役の村野武範さんが新人だった事から教頭役の穂積さんと理事長役の佐藤慶さんのシビアな演技こそが、ドラマの正義を際立たせる要だった様な気がします。続編でもある『われら青春!』でも当時新人だった中村雅俊さんが穂積さんにたっぷりイビられてましたね。
 私はそんな穂積さんを俳優としては好きでしたが、一連の「積木くずし」問題でこの方が大嫌いになりましたので残念ながら追悼コラムはここまでです。

 素敵な声や徹底した悪の演技でわれわれ視聴者を楽しませてくれた皆様のご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉



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