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Vol.128 「2009年の東京リズム劇場」を終えて
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2009年東京リズム劇場
「2009年の東京リズム劇場」では、この年齢では絶対にやることはないだろうと思っていた3つのものと出会いました。
@足以外のものでリズムを奏でること
前回、ウクレレの生演奏からのがれることが出来た私も、「男性全員でスプーンやります」の松本さんの指令には“NO”と言えず、縮み上がりました。2つのスプーンをぶつけて音を出すことは、私にとっては、綱渡りや一輪車乗りを連想してしまうくらいの曲芸なのです。しかし、男性キャスト全員でしっかり時間をかけ稽古したことで良い勉強になりました。
A人間以外のもので踊ること
かつて「リトル・マーメイド」でカニのセバスチャン役をいただきましたが、6年ぶりに「熱川バナナ・ワニ園」のワニ役に。「イズ(伊豆)の魔法使い」でドロシー役の冨田かおる先生たちとソフトシューズのタップを踊れてとても楽しかったです。このナンバーでは、視界に入るお客様が皆笑顔で観てくださっていたのが印象的でした。松本さん手作りのワニさんファッションはいかがでしたか?
B高校生役をやること
何よりも好きだったテレビの青春ドラマ「飛び出せ青春」のパロディ版である「踏み出せ青春」の台本をいただいた時、もう、うれしくて、うれしくて飛び上がってしまいました。僕らの中で一番若い古川仁君が先生役で(TVでは村野武範)、ほかの男性たちがちょっぴり老けた高校生役、そして淺野さんが女子マネージャー役(TVで演じていた女優さんにとても似ている)など、松本さんのキャスティング・センスに感心しました。
初めての本読みで、藤川誠君扮する高木(TVでは「夜明けの停車場」の石橋正次)のセリフを聞いて驚きました。小学生時代、週7日を野球・水泳・剣道の3本立てで過ごしていた根っからのスポーツ少年だった私にとって、まさに「ダンスなんて女のやること」でした。年に1度やらされるフォークダンスで女子と手をつなぐことすら「バカバカしい」と感じていました。青春ドラマの影響で、中学に入ったらサッカー部に入るぞと燃えていたものです。今回、松本さんの作ったストーリーは、そのまんま私の青春時代にあてはまっておりました。もちろん今では「踊るってステキなことだよな !! 」。
さて、踊る時はストイックな男性陣も、いざ演技となると、ここでは書ききれない位笑えるエピソードを山ほど残してくれました。何があったかは彼らに直接聞いてみてください。
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毎回楽しい「東京リズム劇場」ですが、年齢とともにきつくなっているのも確かかもしれません。今回もすてきな仲間と一緒なので感動することがたくさんありました。どのダンス・ナンバーも魅力的でしたが、“Another Star”のテーマにとても惹かれました。千秋楽の楽屋で、森田洋介君が2年も前からあたためていた企画であったこと、それを自分の先生と踊ることができてとても嬉しい、という言葉を聞きました。私もたった一度だけ師匠に自分の作品を踊ってもらった時、2人で深夜まで何時間も稽古したことを思い出し、ジーンときてしまいました。
* * *
公演終了後の打ち上げは自由解散になるのですが、今回はたまたま杉浦ヒロ先生、橋本祥先生、そして関島邦江さんと一緒でした。夜の銀座を歩きながら、当分会うことができない寂しさで皆ちょっと落ち込んでおりましたが、一番最初にサヨナラをした関島さんの手を振る姿が「じゃ私ハトヤに帰ります」の映像と重なり、大笑いしてしまいました。
たくさんのお客様、スタッフの皆様、そしてキャストの皆様、ありがとうございました。
天野 俊哉
「2009年の東京リズム劇場」を終えて
「2009年の東京リズム劇場」にご来場くいださいまして、まことにありがとうございました。観に来ていただけるだけでもうれしいのに、たくさんの差し入れやお花まで頂き、本当にありがとうございました。浜松公演にまで足を運んでくれた方もいらっしゃって、本当に感謝しています。
今回も終わってしまいました。怪我もなく無事に終了できてホッとした反面、半年間毎週稽古してきたキャストのみなさんと会えなくなってしまい、さみしい気持ちでいっぱいです。
何から書いていいのか迷ってしまう程、思い出がたくさんありますが、まずは今回が初出演の藤川先生とご一緒させて頂いたことにふれます。
松本先生から、藤川先生の振付で関島先生と3人でアカペラをやるという企画を聞かされた時はビックリしました。お二人と一緒に踊れることはとてもうれしいことだったのですが、全く違うタップのスタイルなので不安がありました。でも、せっかく頂いたお話ですし、新たな挑戦でもあったので、やらせて頂くことにしました。振付はスタートして2回で終了!あとは、ただひたすら練習あるのみ。藤川先生も関島先生も9月からは、ほぼ毎週、戸塚のスタジオに来てくれました。
「はい、じゃ、あと10回」と、平然とした顔をして藤川先生は言います。「えっ!10回!」と思いつつ関島先生の様子を伺うと、それ程驚いている感じでもありません。リズム劇場の稽古場に臨むための練習量は相当なものでした。そうなのです。当たり前のことかもしれませんが、リズム劇場に限らず一線級の方たちが集まる稽古場は“稽古をする場”ではなく、“稽古してきた成果をぶつけ合う場”なのです。リズム劇場のキャストは、それを楽しそうにさらっとやってのけます。そんな皆さんの集まりです。“キツイけど楽しい”稽古場のヒミツは、きっとこんなところにもあるのでしょう。
公演後に何人かのお客様に「アカペラのキャストが淺野さんだと気がつかなかった」「○○先生かと思った」と言われたのですが、これは藤川先生と関島先生に溶け込めていた証と、勝手に良い意味と解釈させて頂きました。本当の理由はハンチングのツバで顔が見えなかったからだけかもしれませんが(笑)。とても良い経験になりました。藤川先生に感謝しています。ありがとうございました。
学園物のお芝居、「飛び出せ!青春」ならぬ「踏み出せ!青春」ではサッカー部のマネージャー役で出演させていただきました。こちらも楽しかったです。最初の登場で冨田先生、みすみ先生、橋本先生と絡むシーンでは、浜松のリハーサルの時に、冨田先生が今までのキャハハな真樹(役名)とは違う、ワルなイメージでいきなり登場!私は動揺してしまい、セリフをかみそうになってしまいました(笑)。それにしても冨田先生のひきだしの多さには驚かされます。本当にどこまでも研究熱心な先生です。
お芝居の中でマイクの受け渡しが3度あり、それに気を取られてリハーサルで2回、1シーン出るのを忘れてしまいました。セリフもないシーンで誰も気づいてない様子だったので、とぼけてしまおうかなと思っていたら・・・、視線を感じました。袖で藤川先生が笑って見ていました!でも、本番は大丈夫でした。ちゃんと出ましたよ。
Y's作品「恋の嵐」では、ペアのタップでとにかく回る振りが多く、ほとんど客席を見ることがありませんでした(笑)。ひさしぶりに押田先生とのペアで、ラブラブ目線の火花を散らし合いながら踊りました。
先程も書きましたが、リズム劇場の稽古場は“稽古してきた成果をぶつけ合う場”なので、相当にハードでした。みんなが疲れて一瞬気が抜けそうな時に、冨田先生が大事なところで全員に声をかけてくれました。私はその言葉で何度も気持ちを引き締めることができました。
公演後にご自身のブログに書かれていたので明かしても問題ないと思いますが、コンディションを崩されていて、一番辛かったのは冨田先生だったと思います。それでも、そんな素振りを微塵も見せずに牽引してくださいました。人にはやさしく、自分にはきびしい。隆子先生も同じでした。私もそんな先生方に少しでも近づけるように、これからもいっそう努力していきたいと思います。
制作関係でみんなをまとめてくれた穴田先生、ありがとうございました。演出で素晴らしい作品と舞台空間を創ってくれた松本先生、ありがとうございました。お二人の情熱と魂が、キャストの皆さんや、無償で仕込みやバラシを手伝いに来てくださるタップダンサー仲間の皆さんの心を動かすのではないでしょうか。そんな気がしてなりません。
スタッフの皆様、キャストの皆様、とても楽しい「リズム劇場」での時間を、本当にありがとうございました。
淺野 康子
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