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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.853 「康子の部屋で」?
 過去3回行われたY'sTapDancePartyの公演「PRECIOUS」ですが、映像コーナーの企画で、毎回必ずボツになるのが「康子の部屋」でした。もちろん人気テレビ番組「徹子の部屋」のパロディーで、淺野康子さんが黒柳徹子さんみたいな髪型でゲストを迎えるという内容。
 当たり前すぎるのと、カツラをどうするの?と、ゲストを誰にするの?等の理由で頓挫していました。
 そう言えば康子さん、色は違いましたが、シンデレラ姫役の時に徹子さんっぽいカツラかぶってましたね(コラムVol.709をご参照)。
 話は変わります。
 先日コラムVol.852で取り上げた往年の映画俳優さんへのインタビュー本「永遠の東宝映画俳優」を読んでいたら、中田康子さんという女優さんが登場しました。
 「空の大怪獣ラドン」という映画で、男性と阿蘇山に遊びに来て、怪獣の餌食になる美女の役の方です。
 宝塚歌劇団から日劇ダンシングチームを経て映画界へ。とにかく踊る事が好きなのに、そのグラマラスな容姿から映画でもらう役は愛人役とかホステス役などお色気系ばかり。私の近くにも同じ悩みを持つ女性ダンサーがいましたっけ。
 やがて、東宝から大映に移り「アスファルト・ガール」という日本のミュージカル映画ではカルト的存在の作品に主演されました。中田さんは昔も今も「やや進歩的すぎたのでは?」「時代を先取りしすぎたのでは?」と、この作品を観て思ったそうです。
 残念ながら私はこのミュージカル作品を観たことがないのです。
 その後(多分私のせいで)大映が倒産してしまったのでダンスの道に戻り、故郷の松本でジャズダンス教室を開きます。テレビの地方局でダンスの指導を兼ねたトーク番組を持ち、そのタイトルが「康子の部屋で」だったそうです。
 皆さん考える事は同じですね。
 中田さんは1991年シアターアプルで開催された「National Tap Day」の記念すべき第1回目公演にゲスト出演されました。私は何故か《ラドンに襲われた女の人》の記憶が強くて、目の前でジャズダンスを踊っている方が中田さんとは信じられませんでした。
 すみません!
 今ならきちんとご挨拶をして、山のように質問させていただくのに。もったいない事をしました。
 機会があったら映画女優時代の「ラドン」以外の作品を観てみたいと思います。

写真右 上から
「続サラリーマン出世太閤記」(1957年 東宝)で芸者の小鈴役を演じる
「裸の大将」(1958年 東宝 主演:小林桂樹氏)で加東大介氏と。役名はちよちゃん
「アスファルト・ガール」(1964年 大映 製作:永田雅一(まさいち))で主役のエミ子を演じる
「アスファルト・ガール」のパンフレット

写真下 左から
「空の大怪獣ラドン」(1956年 東宝)のポスター。真ん中で怯える赤いドレス姿の女性が中田さん
「アスファルト・ガール」のポスター
月刊「平凡」のパーティーで石原兄弟と(1956年頃)

天野 俊哉




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