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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1897 シアタージャズのはなまるCreation公演
 鶯谷駅から直ぐの立地にあるのが東京キネマ倶楽部。20年位前にグランド・キャバレーだった広いホールを改築して古いサイレント映画専門の劇場になりました。私はバスター・キートンやローレル&ハーディのコメディ映画を観ながら食事の出来るシアター・レストランみたいなスタイルに興味を持ちましたが数年でクローズ。その後、水谷豊さんが監督、清水夏生さんが主演した映画『TAP』のショー場面のロケに使われたりしていました。毎週の様に鶯谷駅を過ぎた辺りで電車から東京キネマ倶楽部のある高いビルを眺めていましたが中々ご縁がありませんでした。

 この秋、シアタージャズのはなまるCreationの皆さんが何とこの東京キネマ倶楽部で公演を行うというので大喜びで出掛けて行きました。はなまるCreationのダンスを見たのは昨年の秋に銀座TACTでの『穴田英明と愉快な仲間たち』(コラムVol.17761777をご参照)にご出演された時以来です。その時私のまわりに着席された多くの方がタップダンスではなく、はなまるCreationのお客様!だった様です。そのお客様にもパワーを感じました。鶯谷駅には早めに到着してしまったので1番近くにあったオシャレなカフェでコーヒーを。ここ以外はオール風俗店という感じでした。あまりにものんびりし過ぎて開演直前に入場する羽目に。平日の昼間の回なのに凄くたくさんのお客様でした。

 前半は意外にもお芝居、前日に観た宝塚雪組の『CITY HUNTER』と同じバブル期の裏社会を舞台に、しかも宝塚と同じく始末屋まで登場しました。もちろん女性のヘアスタイルはワンレングス、衣裳のスーツは全員ボディコンでした。場所は鶯谷あたりなのかも。ひとり中年の男性の俳優さんが語りで話を進めてゆくのではなまるCreationのダンサーの皆さんはシチュエーションに合わせて踊ります。舞台の下手には階段があり少し高くなった所にもフロアがあり、そこを使った踊りの演出が活かされてました。ワンレン、ボディコンの女性達がその階段を降りてくるのが偉くゴージャスでした。リーダーの太田花子さんは小柄ながらさすがに動きが垢抜けていて観客を圧倒します。ダンサーの皆さん動きがシャープ過ぎて残念な事にお色気はあまりかんじられませんでした。お芝居の中のダンスを気持ち良さそうに踊られるはなまるCreationの皆さんを見ながら自分たちの『東京リズム劇場』を思い出してしまいました。

 40分のお芝居、10分の休憩のち40分のダンスショー。
 デューク・エリントンの“Caravan”は確か昨年のライブにも登場したダンス。手に葉っぱの形をした道具を持ち、砂漠をイメージしたカラーの衣裳を着てエキゾチックに、時にハードに踊るのですが、やはりワンレングスでない地毛や付け毛の本来のヘアスタイルに戻られた皆さんはこちらのが全然セクシーで、本当に同じ方達なのか?目を疑ってしまいました。花子さんを中心に14名のダンサーがズラーッと1列に並ぶフォーメーションは劇場の舞台でしか出来ない魅力!
 舞台下手の高いフロアからロングの衣裳の女性がひとり階段を降りてきます。
 “Feeling Good”というスローバラードの曲でハイテクニックな踊りで客席を魅了します。後半、衣裳替えをした2人が加わります。プログラムにダンサーの名前が欲しいところ。
 さて、お芝居では刑事を演じたダンサーの黒一点、上垣内平さんがまるで佐藤昇先生を思わせる派手なストライプのスーツ姿で登場、4色のカラフルなワンピースを着たガールズと踊ります。ちょっとタップのステップを踏む振りも。この曲“All I Need is the Girl”はブロードウェイ・ミュージカル『ジプシー』の有名なデュエット・ナンバーなのですが実は前日に『ジプシー』の映画版を観ていました。松本晋一さんが『ジプシー』のこちらも有名な“Everythings Coming Up Roses”を振付していたので私も急に『ジプシー』が見たくなってしまったのです。何たる偶然!
 この上垣さんの表情や踊り方が今枝壯介さん(コラムVol.1885)に物凄く似ていたのでなんか懐かしかった。下田めぐみさんという方が振付した“I Keep Forgettin”は赤の衣裳の女性ソロ・ナンバーでチタ・リヴェラの様な踊りを思わせました。女性5名による“Monbasa”は珍しい曲で新しい感覚の民族音楽?つなぎの衣裳もオリジナリティがありましたし、ハードな動きや空気感がこのショータイムではやや異質な感じで面白かった。歌手の方が歌い花子さんが裸足で踊る“Infection”は昨年のライブにもありましたが、ライブハウスの狭い空間と違った味わいがあり再見出来てよかったです。フィナーレはバリー・マニロウの“Dancing Fool”。花子さん、上垣さんとすべてのダンサーが舞台で踊りまくる迫力、オープニングと同じくズラーッと1列に並ぶのが壮観でした。皆さん黒をベースにそれぞれの衣裳を着ているので誰を見たら良いものか、困ってしまいました。

 舞台でおどっているダンサーの皆さんひとりひとりの《踊ることの出来る幸せ》を観客も同じ様に感じることが出来て嬉しかったです。
 私達タップダンスの世界では舞台再開の動きが少しばかり遅れているのかも知れませんが、今でも出来る事を見つけて頂きたい!と願うばかりです。
 はなまるCreationの皆さんお疲れ様でした。

天野 俊哉



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