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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1776 穴田英明と愉快な仲間達(前編)
 タップ・ダンサー穴田英明さんが11月に銀座でライブを開催しました。
 場所は銀座6丁目の中央通りを1本入ったすずらん通りにある1958年創業のGINZA TACT。普段はエルビス・プレスリーや日本でブームになったグループ・サウンズの歌等を中心としたコンサートの開催が多い所ですが、キチンとした舞台も併設されたダンスにも向いた数少ない良質のライブ・ハウス。せせこましいライブ・ハウスだらけの銀座にあって、こうした場所を見つけ出す穴田さんの着眼点は流石です。

 会場前にはヒグチ・ダンス・スタジオからのスタンド花が、会場内には淺野康子さんからの綺麗な花が飾られていました。入り口で富田カオリさんが観客全員にミニ除菌スプレーをプレゼントするあたりの気遣いも嬉しい。今回は映像の配信も兼ねているので、タップ仲間の竹下恭平さんがスタッフとして参加されてました。場内は右絵図のような感じで、わたしなんぞかなり遅れて入場したのに左下のソファ席にゆったり座れました。近くにMC役の穴田さんの席もありました。私がうかがった回の観客はほとんどが女性で、私の右側にはやや賑やかな3人組が着席されてて、オープニングで穴田さんが登場した時に「50歳くらいかしら?」とか鋭い突っ込みを入れてました!

 私は何の予備知識もないまま、穴田さんのタップを見るのが目的でチケットの予約をしたので、タイトルにある《愉快な仲間達》とは?と思ったまま着席しましたが、この会が穴田さんが「紹介してゆきたいダンサー達を集めて舞台で」、という主旨であることがライブの進行と共に分かってきました。よってタップ・ダンサーだけでなくジャズ・ダンサーも同じポジションなのですね。納得です。

 オープニング・ナンバー“デイ・イン、デイ・アウト”でブルーのジャケットの穴田さんを囲んだ可愛らしい女性タップ・ダンサー4人が着たイエローなどカラフルな色の花柄のワンピースがちょうど1950年代に流行ったデザインのもの。ちょうどこのライブハウスが出来た1958年頃のものですね。パッと照明がついた時の盛り上がりは最高でした。観客席全体に目線を送りながらステップを踏む穴田さんの余裕ある動きは同じ銀座のラウンジ《砂漠の薔薇》(2015〜2016)での経験がプラスになっている様です。
 来日が出来なくなった日暮良子さんら韓国のタップ・チームは映像での出演。舞台上からスルスルとスクリーンが下りてきて鮮明な映像が映し出されたのですが、凄いな!と思ったのはタップもさることながら3人のタップ・ダンサーの周りを動くカメラ・ワークでした。『2018年のNTD』でもアッと驚く照明プランが記憶に残りましたのでこう来るか?と改めて感心しました。

 1部ではこの後タップ・ダンサーが1人づつ紹介されてゆきます。都内でワークショップを開いているという若手のEmikoさんは黒の大人っぽい衣裳で軽やかにステップを踏みます。トップバッターということもあってか、ちょっと緊張されているように見えましたがパフォーマンスを披露するにはこうした場が経験になりますからね。
 金子真弓さんは意外にも静かなピアノ曲で、スライドを使ったソフトなタッチの振付でした。先日『川崎タップ・フェスティバル』での男性パートナーとの作品が好評だった、と私の耳にも入ってきてますので今後の活躍に期待したいです。
 『NTD2017』の“代表者ナンバー”の時は関西から上京して稽古に参加していた寺町有美子さんは今年から東京でミュージカル女優の修行中とのこと、12月に出演されるというミュージカルのチラシをもらい損ねました!今流行りの白のビッグシャツをシルバーのベルトで留めた衣裳がお洒落でした。
 そしてAkkinさん。最初暗転で歌声だけが聴こえてきたので遂に歌に挑戦か?と思ったのですがJPOPの素敵な曲でした。しかもしっとりスタートしたのに途中からビッグ・バンドのアレンジで演奏、さらにはストリングスまで加わる欲張りな音楽。表現力豊かな表情とタップのリズムは一気に観客の心を掴んだようです。そして、よりこの作品を生かしたのがグリーンのスカートと赤のネックレスで、雰囲気作りに一役かっていました。音楽バンド《とってんたん》での活動も楽しみです。
 今回、女性の方々のコラボがオープニングとフィナーレだけという中、Emikoさんと寺町有美子さんのデュエット・ナンバーが特別に創られたそうで曲が“ビート・イット”だったので観客席はえらくうけてました!お2人の表情のアンバランスが私には楽しかったです。

 男性陣とジャズ・ダンサーズのコメントは後編にて。
 つづく。

天野 俊哉



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