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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1719 91DAYS(そのニ)
 91日間も自宅にいたのでテレビで放送される映画やドラマをリアルタイムで観ることが出来ました。

《男はつらいよ》
 山田洋次監督他、渥美清さん主演の松竹映画『男はつらいよ』シリーズを第1作目から第9作目まで製作順に観たのは初めてです。私が育ったのが『男はつらいよ』のロケ地葛飾柴又の隣町でしたので自転車をこいで良く撮影を見に行ったものです。
 初期の『男はつらいよ』がメチャクチャ面白いのは渥美さん扮する寅さんの不良っぽいイキの良さを別にすると設定の不安定さかも知れません。山田洋次さん以外の人が監督したり、松竹らしい集団でのドタバタ劇が長く続いて中々寅さんの恋愛に話が進まなかったり、寅さんの母親が登場してきたり、妹さくら役の倍賞千恵子さんがほとんど出てこなかったりetc.
 1969年から1971年まで最初の3年間で計8作品が作られたのは、このシリーズがあくまでプログラム・ピクチャー(映画館の上映スケジュールを埋めるための低予算作品)として製作された事を物語っています。何か撮影現場のドタバタが目に浮かんで可笑しいです。
 また、ギャラの問題もあったのでしょうが大映映画の大スター若尾文子さんを除くとマドンナ役の女優さん
佐藤オリエさん
新珠三千代さん
栗原小巻さん
長山藍子さん
榊原るみさん
池内淳子さん
は何れもテレビで人気の高かった女優さんであり、映画スターの渥美さんと並ぶとスケールが小さくて小者感が強いのです。もしかしたら「寅さん結婚出来ちゃうかも?」と思えたり高嶺の花に見えない方もおりました。第9作目の吉永小百合さん以降、八千草薫さん、浅丘ルリ子さん、岸恵子さんら映画界で人気の高かったスター女優さんがマドンナとして選ばれてからの華やかさは流石です。そして松竹映画の大作として映画の公開も1年に2回、お盆とお正月に落ち着くのですね。

《刑事コロンボ》
 アメリカ製テレビドラマの人気シリーズです。こちらも第1作目から9作目まで順を追ってのテレビ放映でした。おまけに製作されたのが1971年と、日本の『男はつらいよ』シリーズと同じ時期なのです。今まではゲストである有名なハリウッド・スターが最初に殺人を犯しピーター・フォーク扮するコロンボ刑事に追い詰められてゆく部分の印象が強かったのですが、今回初めて他にもゲストがいることも知りました。順不同で『巴里のアメリカ人』のニナ・フォック、『禁断の惑星』のアン・フランシス、『ハイ・シェラ』のアイダ・ルピノ(コラムVol.9471393)、『絹の靴下』のジャニス・ペイジ(つい最近コラムVol.1704に掲載)らは往年のスターですが、後年『裸の銃を持つ男』で大ブレークする事になるレスリー・ニールセンがつまらない役(犯人のフィアンセ役)で出演していたのも笑えます。そしてもうひとつが各エピソードの監督にも驚きました。『構想の死角』では映画監督デビュー前のスティーブン・スピルバーグが、『パイルD-3の壁』ではピーター・フォーク自身が、『もう一つの鍵』ではノーマン・ロイドがそれぞれ監督を務めているのが大変興味深かったです。毎回演出を変える事で新鮮な魅力を保っていたシリーズだったのですね。

《ノーマン・ロイドとは誰ぞや?》
 少し脱線して『刑事コロンボ/もう一つの鍵』のノーマン・ロイド監督を取り上げてみましょう。まずクレジットで彼の名前を見た私はアルフレッド・ヒッチコック監督のサスペンス映画の名作『逃走迷路』(1942)を思い出しました。ノーマンは映画のクライマックスでニューヨークの自由の女神像の天辺からぶら下がる大役をこなしたのです!彼の顔が大きなスクリーンにアップになりました。次にチャールズ・チャップリン監督の名作『ライムライト』(1952)では舞台の演出家兼バレエの振付師みたいな役柄でした。偉そうにチャップリン達に演出プランを説明するという大役でした。後にテレビの『ヒッチコック劇場』のレギュラーで演出を担当した記録があります。ちなみに105歳でご健在です。

《おいしい給食》
 俳優松重豊さんが背広を着たごく普通の中年サラリーマン役でひたすら食事を楽しむ『孤高のグルメ』というテレビ番組が好きなのですが、この自粛中で凄く笑えるグルメ・ドラマを見つけてしまいました。民放ではなくMXやらBS12やらテレビ神奈川の様な地味な局製作による『おいしい給食』という30分のミニドラマで全10話という辺りもミニです。残念ながら私が観始めたのが後半の6話位からなのですね。舞台は埼玉の中学校、時は1984年らしい。市原隼人さん扮する主人公は給食の為だけに学校に来ているという不思議な先生。教員室の机には給食の献立表が挟んでありいつも眺めています。彼は自分のクラスにいる男子学生に異様なまでの対抗意識を持っていて、毎回必ず敗北するのが笑わせる。何故か給食前にクラス全員で校歌を歌うのもユニーク。
目の前に置かれた給食を市原さんが心の声でコメントしながら食べる辺りが傑出していて何度でも見たくなる名場面です。銀の食器が昭和世代の私には妙に懐かしいのですが、見逃してしまった前半の第1話から第5話までが物凄く観たいのです。
 DVDとかあるのですかね?何方か情報お待ちしております。

 つづく。

天野 俊哉



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