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Vol.2110 やっぱりジャックはこうじゃなくちゃ
 こんにちは。Y's取材班です。
 Vol.20212032でご紹介した我らがジャック・キャシディが再び『奥様は魔女』に登場しました。
 前回(※1)の気品ある貴族役が全然馴染んでいなくてガッカリでしたが、今回(※2)のダーリンのクライアント役はバッチリハマっていてうれしくなりました。やっぱりジャックはこうじゃなくちゃ。

《超ザックリあらすじ&感想》
 サマンサに化けている従姉妹のセリーナにジャックが一目惚れし、意気投合した二人は翌日のランチデートの約束をします。
 なれなれしくセリーナの手を握るジャックのイヤらしさが素晴らしいです。

 その日の夜、ダーリンが勤めている広告代理店のボスのラリー宅で開かれたパーティーでジャックがサマンサと対面します。「はじめまして」的な振る舞いをするサマンサのことを、ジャックは「なるほど、外では弾けた“セリーナ”、亭主の前では貞淑な“サマンサ”を使い分けているんだね」と勘違いして、わざとダーリンに時間のかかるカクテルを頼んでサマンサと二人きりになり、明日のデートには必ず来るように念を押します。サマンサの二の腕を気安く掴んだり、脅迫じみた鬼気迫るジャックの形相が素晴らしいです。

 事情を悟ったサマンサは、明日のランチデートで二人が別人であることをジャックに説明するようにセリーナに頼みます。
 翌日のデートで「ああ、わかったわかった」と説明をちっとも信じないジャックに業を煮やして「他に用事があるから」とセリーナが消えてしまいます。

 その日の午後、ジャックがサマンサの家に現れます。「キミはイタズラな子だね」と、いなくなったと思っているサマンサを責める時のジャックの表情が素晴らし過ぎてコワイくらいです。
 「さっき、あなたが会ったのは従姉妹のセリーナ」と説明するサマンサに向かって、尚も信じないジャックは「セリーナだろうがサマンサだろうが、そんなのどっちでもいい!」と強引に迫り、なんとサマンサの唇を奪ってしまいます。やっぱりジャックはこうじゃなくちゃ。
 しかし、いくらコメディドラマでもヤバくないですか?コレ。いきなり現れて襲って無理矢理チューですよ、チュー!キッス!日本なら暴行罪レベルのコレを半世紀以上前から笑いにできるなんて、さすが自由の国アメリカ。飛んでいますね。
 「あなたが悪いのよ!」と怒ったサマンサはジャックをオウムに変えてしまいます。帰宅したダーリンの前でクライアントの名前を繰り返すオウムを見て
 「サム、まさか・・・!」
 「だって彼、私に襲いかかるんですもの!」(チューされたことは言わない)
 「相手がオウムじゃ仕事にならないじゃないか!とにかく元に戻してくれ!」
と言われて元に戻されたジャックの目の前にはサマンサとセリーナが。ようやく二人が別人であることを納得したジャックはダーリンと契約、そしていそいそとセリーナと出掛けるのでした。
 メデタシメデタシ。

 数日後、いなくなってしまったセリーナの行方を尋ねに再びジャックがやってきます。自慢の喉でセリーナに思いを馳せて“Fly Me to the Moon”を歌うジャックの眼がイッちゃてて、ヤバいです。

 トニー賞(※3)の受賞歴があるジャックの抑揚豊かなアクションと表情は、サスペンスやコメディにピッタリで光っています。そしてどんな役でも実にダンディ。彼が演じる人物像は「ドラマティックなセンスを備えた、都会的でウイットに富み、自信に満ちたエゴイスト、というキャラクターを完成させている」と高く評価され、今回の『奥様は魔女』の他にも『ヒッチコック劇場』や『刑事コロンボ』など数多くのTVドラマで重用されて、エミー賞にも何度もノミネートされました。さすが、やっぱりジャックはこうじゃなくちゃ。

※1:1968年 シーズン5 第2話「百年前にもどちゃった」ランス・バトラー役
※2:1969年 シーズン6 第26話「いとしのセリーナ」ジョージ・ディンスデール役
※3:アメリカの演劇界で最も権威があるとされている賞
   映画界のアカデミー賞、音楽業界のグラミー賞、テレビ業界のエミー賞
   そして報道・文学・作曲におけるピューリッツァー賞と肩を並べる存在

Y's取材班



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