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Vol.2051 永遠の2枚目俳優・志垣太郎さん追悼
 昨年末、渡辺徹さんの訃報に続いて俳優の志垣太郎さんの訃報が伝えられました。近年、息子さんの方が世に知られ、父親である志垣さんはチョイうるさい親父キャラでバラエティー番組で観ることが多かった。とは言え、私は追悼コラムを書くほど志垣太郎さんとご縁はありません。

 今回初めて志垣さんのキャリアを調べて驚いたのがデビューが舞台であり、作品は何と『巨人の星』の星飛雄馬役との事。大の巨人ファンの高校3年生、17歳の河村稔クンが150人の応募者から選ばれました。実はわたくし1969年のこの舞台を観ております!まだ8歳だったので観た、記憶だけですが。当時は『あしたのジョー』など人気アニメの舞台化が多くてその度母が私を観劇に連れ出してくれました。志垣さんの濃いマスクと響く声は星飛雄馬にびったりだなと思います。

 さて翌1970年に出演したNHKドラマ『男は度胸』で本名の「河村稔」から芸名の「志垣太郎」に改名した志垣さんの出世作が森田健作さん主演の人気青春ドラマ・シリーズ『おれは男だ!』(1971〜1972)の不良少年役でした。私のクラスだけかも知れませんが志垣さんがキレイな先生役の武原英子さんに襲いかかる場面がえらく話題になりました。私たちは小学6年生でしてので思春期の少年には刺激的すぎたようです。松本晋一さん振付・演出の『2018年の東京リズム劇場』で「おれは男だ!」が取り上げられた時、リアルタイムでこのドラマを観ていたのは私だけの様でした。

 石坂洋次郎原作の名作『青い山脈』が志垣さんと坂口良子さん主演で1974年にドラマ化された時の宣伝番組を今でもよく覚えています。それより25年前に映画作品で主演した池部良さん(関連コラムVol.209)と杉葉子さん(関連コラムVol.1614)がゲスト出演して、若い2人にエールを贈るみたいな狙いがあったようです。ところが皮肉屋の池部さんは「主人公の高校生は貧乏だからいつも髪はバリカンで短く刈り上げていた!」とか何とか言って志垣さんのやや長めの髪を皮肉りはじめたのです。緊張しまくった若い2人にとっては杉葉子さんの笑顔だけが救いだった様です。

 後年バラエティー番組に出演した志垣さんが親父キャラ丸出して司会の明石家さんまさんや若い芸能人にドン引きされてる姿を見る度に池部良さんとのやりとりを思いだしながら笑ってました。
 永遠の2枚目、志垣太郎さんのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉



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