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Vol.1976 『パパと呼ばないで』に松本晋一さんのご友人が出演
 昭和のテレビドラマの名作『パパと呼ばないで』のDVD BOX@を第1話からゆっくり観ております。

 1972年の10月から放送がスタートしたこの番組、もちろんリアルタイムで観ています。第1話では、石立鉄男さん扮する営業マン、安武右京が東武伊勢崎線の堀切に住んでいて朝の出勤風景から始まるのですが、当時私のクラスでは、そのロケ地に大騒ぎしたものです。杉田かおるさん扮する千春を引き取って下宿するのが佃島界隈、まだ都電が走っています。お米屋さんの内部は多分セットなのでしょうね。
 このドラマの魅力は何と言っても笑わせて泣かせる石立鉄男さんの演技なのですが、それを引き出す向田邦子さんらの脚本がまた素晴らしいのです。
 石立さんの安月給からは考えられないくらい杉田かおるさんが毎回真新しいデザインの洋服を着ているのも変ですが、子供服のピノチオが衣裳の提供をしているのですね。
 また石立さんの2003年のインタビューによるとドラマの中で出て来るお酒は全て月桂冠なのは番組スポンサーだったから、とか。また石立さんがタバコを吸う場面が多いのは童顔の自分を老けて見せるため、と語っていました。ご苦労が多いのですね。

 さて、先日開催された松本晋一さんのお母様、印南明美さんの追悼公演にお母様のご友人の結城春江さんがゲスト出演され、松本さんの妹さんとも踊られていました。その結城春江さんの息子さんの知仁さんは松本さんの高校の同級生でもおられ、子役として『パパと呼ばないで』に出演されていた!と松本さんから連絡を頂きました。
 で、調べてみました。
 すると第15話に《とんだ人助け》というエピソードがあり、そこに結城知仁さんは出演されてるのです。脚本は向田邦子さん。杉田かおるさんが幼稚園でクラスメートと喧嘩をして怪我をして帰ってくる。そのクラスメートの秋夫役が結城知仁さん、お母さん役が後年『欽ドン』で一時代を築く真屋順子さん。石立さんと真屋さんの演技力を生かした魅力的なエピソードになっています。
 真屋さんが経営する洋裁店の3人の女性従業員のキャラクターが『ムー一族』など向田邦子さん作品にしばしば登場する樹木希林さんらお手伝いさんグループの先駆けになっているのが楽しい。
 石立さんが杉田さんと結城さんを連れて遊ぶのが浅草の松屋デパート屋上の遊園地とは懐かしい。驚いたのが結城さんがこの時代にキックボードに乗って登場する場面、キックボードなんてここ20年位のものだと思っていたのでびっくり。流行るまでの時間をかんがえると驚異的ですね。

 私は大学時代の1983年にNHKテレビでアルバイトをしていた時に近くの渋谷ビデオスタジオに何度も出向していました。ちょうどフジテレビの月曜ドラマランドのセットが建て込んであり、小泉今日子さん主演の『あんみつ姫』などと共に石立鉄男さん主演の『どっきり天馬先生』も撮影されていました(関連コラムVol.1143をご参照)。実際の石立さんはドラマの中の間抜けなイメージが全く無い2枚目で真面目な方、撮影されたばかりの自分の映像をモニターで真剣にチェックする姿が印象的でした。

 松本さん素敵な情報ありがとうございました!DVD BOX無理して買って良かったです。今回は松本さんのご友人が出演された『パパと呼ばないで』を取り上げました。

天野 俊哉



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