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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1955 もうすぐ生誕100年ジャック・レモン〜エリート俳優(後編)
『ハッピー・ロブスター』
 ワーナー映画のミュージカル女優として大成功していた歌手のドリス・デイの日本劇場未公開のコメディ。ジャック・レモンとの競演なのでDVD購入して直ぐに観ましたがジャックは弁護士というごく普通の役柄でした。ドリス・デイはこの後、ロック・ハドソンとのコンビで物凄いヒットを飛ばすことになります。

『お熱いのがお好き』
 ギャングの殺戮現場を目撃してしまったジャック・レモンのベーシストとトニー・カーティス扮するサックス・プレーヤーが女性に変装して女性ばかりの楽団に忍び込む!いよいよビリー・ワイルダー監督のコメディ名作『お熱いのがお好き』の登場です。主演女優マリリン・モンローの遅刻などスキャンダルばかりがいまだに語られますが文句なしの作品です。何と言っても大きな口のジョー・E・ブラウン扮する大富豪が女装したジャックに惚れてしまい、ジャックを追いかけ回す場面が最高に笑えます!
 2人がタンゴを踊る場面とラストシーンが本当に楽しい。ジャックとビリー・ワイルダー監督の時代の始まりです。

 今回ジャック・レモンほどの名優を扱うのに肝心のDVDをほとんど入手出来ませんでした。特にビリー・ワイルダー監督の『アパートの鍵貸します』『フロント・ページ』、名作『酒とバラの日々』『チャイナ・シンドローム』をチェック出来なかったのは残念。

『グレート・レース』
 トニー・カーティスとジャックがニューヨークからパリまでの自動車レースで戦うコメディ大作。ジャックが助手のピーター・フォーク(刑事コロンボ)と次々と新しい自動車を発明しては失敗するおバカな場面が笑えます。このコンビを見ていると子供の頃テレビで観ていたアニメ『チキチキマシン猛レース』の悪役ブラック魔王と犬のケンケンのコンビを思い出します。さて、ブレイク・エドワーズ監督は酒場の大乱闘、舞踏会、パイ投げなど往年のハリウッド映画の名場面を見事に再現して我々ハリウッド映画ファンを楽しませてくれました。最初に観たのは1975年1月渋谷の名画座ででした。

『おかしな2人』
 ジャックのキャリアでビリー・ワイルダー監督と同じ位重要なのが作家のニール・サイモンと俳優のウォルター・マッソーの存在です。このニール・サイモン原作の舞台劇の映画化で中年期に入るジャックの当たり役、そうダメなサラリーマン役が活きてきます。綺麗好きのジャックと散らかしっぱなしのウォルター・マッソーのコンビが見せる笑いはそれまでのハリウッド映画には無かった種類の物。このコンビ、不思議と女性との絡みよりポーカーゲームに明け暮れる男連中との絡みの方が何千倍も面白い。

『おかしな夫婦』
 ニール・サイモン原作のオリジナル作品。田舎から都会のニューヨークにやって来たサラリーマンのジャックと奥さんのサンディ・デニスの珍道中。今回久しぶりに再見しましたがやや悲惨なエピソードを詰め込みすぎたせいか、後半ややキツかったです。しかもジャックのセリフのほとんどが怒ったり怒鳴ったりしているので『おかしな2人』でみせた中年男の哀愁が全く感じられなかった。逆にいつもスローペースのサンディ・デニスが可笑しくて最高でした。約30年後、『アウト・オブ・タウナーズ』のタイトルでスティーヴ・マーティンとゴールディ・ホーンで再映画化されましたが、お2人がハリウッド・スター夫妻にしか見えず残念な結果に。松本晋一さんがイキなサントラ盤の音楽を使って『2017年のナショナル・タップ・デー』のオープニングを振付されました。淺野康子さん、大日果里さん、森アしおりさんと私の4人がその素晴らしいナンバーに参加しました (関連コラムVol.1248/1253/1254/1255をご参照)。

 と、ここまでがジャック・レモンの最初の約20年にすぎないのです。また彼の主演作品にめぐり逢えたら少しずつコラムにしたいと思います。

天野 俊哉



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