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Vol.1756 もうすぐ生誕100年マリー・マクドナルド〜“The Body”
 今回は“The Body”という愛称で知られるハリウッドのグラマー女優マリー・マクドナルドを取り上げます。

 ジーグフェルド・フォーリーズの舞台女優だった母を持つマリーは10代の時から数々の美人コンテストで優賞を重ね、17歳でトミー・ドーシー楽団の専属歌手に?という経歴が一般に知られてるのですが、私の知る限りトミー・ドーシー楽団のディスコグラフィや評伝の何処にもマリーの名前は確認出来ません。
 1940年代初めからハリウッド映画の脇役女優として活動していましたが、マリー・マクドナルドの名前を一躍有名にしたのがアメリカの兵隊に配られたグラマー女優のピンナップ写真のモデルとしてでした。
 ピンナップ・ガールとしてのマリーは幸運にもベティ・グレイブルやリタ・ヘイワースらハリウッド映画のトップ女優達と肩を並べる事になりました。
 さて、映画女優としても少しずつ良いポジションに上がって行きましたが、残念ながら私が観たマリーの主演作はわずか2本。

『It's a Pleasure』(1945)
 かつて「銀盤に踊る恋」のタイトルでテレビ放映されました。オリンピックの金メダリストでアイス・スケーターのソニア・ヘニー主演のテクニカラーのミュージカル。カラー画面で見るマリーは輝くブロンドの髪と何色なのか判別出来ませんが瞳が魅力的です。ただ、マリー演じるのがソニア・ヘニーと恋人役のマイケル・オシェーの仲を引き裂き、仕事のチャンスまで奪おうとするイヤな女性の役柄なので後味悪すぎです!この作品を見る限りどこが“The Body”なのか分かりません。

『Living in a Big Way』(1947)
 数年前に渋谷の名画座で『でっかく生きる』のタイトルで上映されました。
 このコラムでは過去に2回(コラムVol.511514)取り上げています。ジーン・ケリーとマリー主演のMGMミュージカル。当時のアメリカで大ヒットした“It Had to be You”で始まる映画のオープニングからジーンとマリーのロマンティックなダンス、そして裏庭での華やかなデュエット・ダンスに繋がります。白黒画面の為にせっかくのマリーの美貌も抑えられてしまった感じですが、ジーンの厳しいダンス指導に良く付いていけた様で、ジーンにとっても最上のダンス・ナンバーのひとつになりました。マリーはダンス・ナンバーを除くとわずかに水着姿を見せる程度です。失敗作という評価が多いのですが、アメリカの戦後を扱ったという点で興味深い内容になってます。

 映画女優としては全くふるわなかったマリーですが、1957年にハル・ボーン楽団をバックに『The Body Sings』というタイトルのレコードを発売しました。映画でジーン・ケリーと踊った“It Had to be You”をはじめポピュラー・ソングが12曲もズラリ。結局マリーにとってのレコード録音はこの1枚だけでしたが、歌手として後世に残せる物が出来たのはマリーにとって幸せな事だったのではないでしょうか。

 マリーは1965年に42歳の若さで亡くなるまでスキャンダルまみれの人生だったそうです。“The Body”なんて愛称が悪かったのかも知れませんね。

天野 俊哉



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