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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1743 挨拶って大事ですよね?
 そうですか、Y'sのホームページでもマナーを取り上げますか?最近気になることもふくめて語りたいなと思います。

 テレビ、映画、舞台、ダンス、音楽などショービジネスの世界で生きている人間ならば前から歩いてきた方に「お早うございます!」と声を出して挨拶するのが常識であります。タモリさん、たけしさん、さんまさん、千葉真一さん、松坂慶子さん、松田聖子さん、どんな大スターでもこちらが挨拶をしたら必ず「お早うございます!」と返ってくるもの。私がおめにかかった芸能人の中で歌手の八代亜紀さんだけは「あら、こんにちは!」と普通の挨拶をして下さったのは特例かも知れません。

 私の様に人様より早く劇場入りする人間が最初に会うのが警備員さんや清掃員の方々。掃除のおじさん、おばさんか?とバカにしてはいけません。私達や私達のお客様の為に劇場を綺麗にしてくださる大切なスタッフさんであります。
 かつて新宿のシアターアプルで『ナショナル・タップ・デー』が開催されていた1995年の事。ブルースカイ・オーケストラというプロの楽団が出演されてました。舞台上にずらっと18名位のバンドマンの皆さんが着席して各自サウンドチェックなどを。そこにタップダンサーの女性の皆さんがやってきたのですが挨拶が無かった!
 ドラムの若い男性に
 「おまえらバンドに頭も下げられないのか!」と怒鳴られてしまいました。
 たまたまよそのグループの方々でしたがかなり驚いた様子。
 「あっ、うちの女の子達に教えていなかった!」と考えていた正にそのタイミングでうちの女性達がやって来てしまった。
 もう手遅れ?
 ところが一人ずつ「お早うございます!」とペコペコ頭を下げるのでホッとしたのでありました。
 現在ではナショナル・タップ・デーの楽屋でも何処でもそうした挨拶は徹底されていてヒヤヒヤする事は無くなりました。各スタジオのリーダーの先生方の躾が行き届いているのでしょう。

 私は現在もあちらこちらのカルチャー教室で指導しておりますが、以前デパートやヨーカ堂の様な商業施設の社員専用口を利用して教室に通っていた時は全く気にならなかったのですが、ここ12年位通っているある商業施設がぶっ飛んでいます。私が出入りする社員専用通路での事、前から歩いてくる方(派遣社員だと思います)にこちらから挨拶をしても90%以上の確率で挨拶はおろか会釈すらしてこないのです。もうシカトのレベルです。
 映画の撮影所で言われてきた《犬に会っても頭を下げろ!》ではありませんが、ショービジネスの世界で生きてきた私にとっては凄いストレスであります。なら挨拶をしなきゃ良いじゃん?と思ってもシゼンと頭が下がり「お早うございます!」「お先に失礼します!」と言葉が出てしまうのですね。
 もちろんエレベーターに乗り降りする時も「失礼します」とか会釈など最低限のマナーすらありません。
 その昔、兵庫の宝塚ホテルに宿泊して混んだエレベーターに乗っていた時に最後に「失礼します!」と遠慮ぎみに乗ってきた背広姿の紳士がいました。声を聞いて直ぐに分かりましたが俳優の高松英郎さんでした。マナーと腰の低さに「さすがだな」と感心したものです。Y's取材班さんによると「『修羅の群れ』で高松英郎さんの控室に挨拶に行ったら、和装正座姿で両手を膝の上にハの字に置いて「こちらこそ、よろしくお願いします」と会釈してくだり、あまりの腰の低さにかえって緊張してしまいました」とのことでした。高松さんのご様子が目に浮かぶようです。

 同じ施設で仕事をしているという同属意識がもう少しあっても?と思うのですがね。

天野 俊哉



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