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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1676 もうすぐ生誕100年ジェームズ・ホィットモアとナンシー・レーガン
 ジェームズ・ホィットモアとナンシー・レーガンは1950年代のMGM映画でごくありふれたアメリカ人を演じた脇役スターです。
 私の手元に戦後すぐの1950年に東宝映画のプロデューサーだった森岩雄氏がハリウッドの映画撮影所を取材した『映画製作者の仕事』という興味深い本があります。その中で森氏は当時MGMで撮影中だった『君に聴く声』を詳しくルポしているのですが、その映画に主演していたのがジェームズとナンシーでした。そういった低予算の作品では主役だったようですね。

《ジェームズ・ホィットモア》
 まあ実に個性的なお顔をしたジェームズさんです。ジョン・ヒューストン監督のスリリングな『アスファルト・ジャングル』では危ない連中の集まるカフェのマスターとして映画の最初に登場し、主役のスターリング・ヘイドンから拳銃を預かります。小気味良い演技で作品を起動させて行きます。
 ウィリアム・A・ウェルマン監督の『戦場』では歩兵部隊の行進から始まるのですが、威勢の良い掛け声をかけているのが軍曹役のジェームズさん。ちなみにメイン・キャスト全員が歩兵部隊として歩かされています。
 先の『君に聴く声』と同じく当時のSF映画は低予算のB級映画でしたのでワーナー映画『放射能X』では堂々の主役を。しかし最後は巨大な蟻に刺されて死んでしまいます。今でもその苦しそうな表情が目に浮かびます。ただこちらがあまり悲観的にならないあたりが脇役スターの宿命ですね。

 さて、ジェームズさんの忘れ難い作品と言えばMGMミュージカルの名作『キス・ミー・ケイト』です。
 劇団のオーナー、ハワード・キールを追いかけ回すギャング役で、キーナン・ウィンとペアで登場します。そして映画の最後にはコール・ポーターの名曲“ブラッシュ・アップ・ユア・シェイクスピア”を歌いタップ・ダンスまで披露してしまうのです。『キス・ミー・ケイト』って素晴らしいダンス・ナンバーの連続なのに何故か“シェイクスピア”や少ししか出てこない“ビアンカ”ばかりに目が行くのが不思議ですね。
 プライベートではとても子煩悩で愛犬家のジェームズさん。ちなみに写真で抱かれているベイビーのジェームズ・ホイットモア・Jrも俳優になり、現在は犯罪捜査シリーズなどのTVドラマ監督として活躍中です。
 ジェームズ・ホィットモア覚えておきましょう。

《ナンシー・レーガン》
 アメリカの中流家庭の奥様や小学校の先生役なんかをやらせたらナンシーさんの右に出るものはいません。ナンシーさんはそんなタイプの平凡な女優さんです。独身の頃は本名のナンシー・デイビスとして活躍してました。私はナンシーさんをMGMオールスター・キャストの『イッツ・ア・ビッグ・カントリー』、ジョージ・マーフィと主演したサスペンス『トーク・アバウト・ア・ストレンジャー』しか観ておりませんのでこれ以上のコメントが出来ません。
 ナンシーさんがハリウッドのB級俳優ロナルド・レーガンと結婚し、彼をカリフォルニア州知事からアメリカ合衆国の大統領にまで押し上げたのが一番の功績に違いありません。
 ナンシーさんが2016年に亡くなった時の追悼コラムVol.1025とロナルド&ナンシー・レーガン夫妻の娘パティさんが書いた暴露本を取り上げたコラムVol.1344もあわせてご覧下さいね。

天野 俊哉



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