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Vol.1025 ナンシー・レーガン追悼〜ハリウッド出身のファースト・レディ
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アメリカ合衆国第40代大統領ロナルド・レーガン夫人だったナンシーさんが亡くなりました。
レーガン氏が大統領になった1981年頃、ナンシーさんの回顧録が日本でも出版されました。ナンシーさんはレーガン氏と知り合う前はMGMの映画女優として活動していたので、私もナンシーさんの本を読みましたが、私の興味は女優時代に限られており、政治に関する部分は全く手をつけておりません。
MGM時代には本名のナンシー・デイビスを名乗っていました。
さて皆さん、ここで白黒映画の写真を見てください。
一番上が
ゲイリー・クーパー(ハリウッドを代表する大スター)
次がナンシーさん
ヴァン・ジョンソン(1940年代若手No.1スター)
ジーン・ケリー(ミュージカル映画大スター)
ジャネット・リー(MGM売り出しの若手美人スター)
と続きます。
ナンシーさんがいかに大スターだったかを物語る写真じゃありませんか?
というのは嘘です。
実はMGM映画が契約していた多くのスターを出演させた、いわゆるオール・スター・キャスト作品のひとこまで、アルファベット順て訳ですな。よってこの映画「It's a Big County」のポスター(写真下左)の方をご覧いただくと、ナンシーさん小さい文字で下から2番目。スターでなく助演格でクレジットされております。
回顧録によると舞台でほどほどの成功をおさめたナンシーさん、MGMに映画女優として契約までこぎつけられたのは「知人の名優スペンサー・トレイシーの力があったから」とか。
女優の楽屋では、エヴァ・ガードナーやエリザベス・テイラーのこの世の物とは思えぬ美しさに圧倒され、早くに「自分のいるべき場所ではない」と悟ったとか。
MGM撮影所では「雨に唄えば」で悪声の女優リナ・ラモント役を演じたジーン・ヘイゲンと親しかった、とあります。
私はナンシーさんがMGMで出演した作品では、先の「It's a Big County」と「Talk About a Stranger」しか観ておりません。「Talk About a Stranger」でナンシーさんは、先日渋谷シネマ・ヴェーラで上映された「踊るニュウヨーク」のタップダンサー、ジョージ・マーフィと共演。マーフィも後に政治家になりました。
ナンシーさん、美人なのに華やかさがないので、学校の先生やお母さんなどの平凡な役柄に限定されてしまい、映画女優として伸び悩みました。
そんなナンシーさんが同じく映画俳優としてくすぶっていたロナルド・レーガン氏と知り合い、すぐに結婚したのは自然な流れ。
ナンシーさんは、レーガン氏と共演した戦争映画「Hellcats of the Navy」を最後に女優を引退しました。
私が学生時代に読んだ回顧録は、現役ファースト・レディ時代に出版された、いかにもお行儀の良い内容のもので刺激の足りないものでした。実はフランク・シナトラの評伝を書いたキティ・ケリー女史によるナンシーさんの凄い評伝があるそうで、ナンシーさん追悼のこのタイミングに日本の何処かの出版社から発売されないものですかね?
ナンシー・レーガンさんのご冥福をお祈りいたします。
天野 俊哉
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