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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1661 宝塚星組トップ・スター紅ゆずるさんAGAIN
 6月の法律改正で興行チケットの額面以上での販売が規制されました。確かに街の金券ショップでは舞台のチケット等をあまり見なくなりましたねぇ。そんなある日、銀座の金券ショップ前を通ると宝塚のチケットが1枚だけあるのでびっくり!近づいてよーく見ると退団する紅ゆずるさんの星組公演、しかもヅカ・ファンが絶体欲しがる千秋楽の週のレアなチケットなのに。もちろん額面の¥8800よりは高いけどプラスアルファ程度の額なので直ぐに購入しました。ラッキー!
 購入後にチケットをよく見ると、この日は特定興行つまり企業による貸し切り興行なのでチケットには金額が掲載されていません。だから法律には引っ掛からない、という訳でショップで販売されていたらしい。
 ヨクワカラナイ?

 この紅ゆずるさんの星組公演のコラム(Vol.1656)の最後に「自分は宝塚を辞めたタカラジェンヌの舞台は観ない」とか書いたので、再び紅ゆずるさんを客席から拝見する事が我ながらびっくりであります。ただ、我が家の宝塚のDVDコレクションには未だ紅ゆずるさんの公演は加わっておりません。もし残すならば今回のサヨナラ公演でなく、昨年夏に上演された落語コメディの『Another World』と海外公演の為に衣裳や装置にお金をたんまり掛けた『Killer Rouge』の方かなと考えております。コラムは私の代わりに宝塚ファンの生徒さんが書いてくれた物が残ってます。

 かつての宝塚には高島兄弟のお母様である寿美花代さん、先日の『VIVA 80』公演で石井千夏さんがまさかのバック・ダンサーをつとめたという高汐巴さん、松本晋一さん加藤忠さんが『江利チエミ物語』で共演した樹里咲穂さんなど素晴らしいショーウーマンの方々が沢山いらして大いに楽しませてくれたもの。近年のタカラジェンヌの皆さま、すっかり大人しくお上品になりすぎてしまったので紅ゆずるさんは宝塚における最後のショーウーマンかも知れません。さて、そんな紅ゆずるには物凄いパフォーマンスがある事を書き忘れてました。
 それは忘れもしない2012年秋の星組公演『エトワール・ド・タカラヅカ』(コラムVol.351をご参照)。
 主演は柚希礼音さんと夢咲ねねさんで、紅ゆずるさんは何とか2番手のポジションでした。私はこの公演を兵庫の宝塚大劇場までわざわざ観に出掛けたのですが、朝の新幹線から体調がすぐれず11時公演を観ているあたりから腹痛が酷く熱があがってしまい、遂には15時からの公演を観ないで帰京した、といういわくつきの公演なのですね。和物ショー、短いコメディ、そして豪華なレヴューの珍しい3本だてだったのですが最初の和物の中盤あたりからジワジワきたのには参った(翌日の診断では急性胃腸炎とか)。
 で、何だっけ?
 ああっ、紅ゆずるさんの事でしたね。
 『エトワール・ド・タカラヅカ』は、星座をテーマにしたレヴュー。紅ゆずるさんの場面は“双子座”。紅ゆずるさんの体の左半分が男役、右半分が娘役。それも頭のてっぺんから爪先までという衣裳やメイクも徹底した物でした。客席に左半分見せた時は黒燕尾服の男役で男っぽく、客席に右半分見せた時は白のワンピースで色っぽく、その切り替えが今はやりのリンゴちゃんみたいで笑えた!最後には切り替えが間に合わなくなり真っ正面を向いて
 「めんどくさぁ〜」
と言うオチも良かった!見事なショーウーマンぶりでした。もっともっとこんな紅ゆずるさんの才能に相応しいナンバーを沢山観たかったなぁ〜と思いました。当時はこのナンバーの為だけにDVDを買ったものです。

 そして紅ゆずるさんのサヨナラ公演2回目の観劇日がやって来ました。酒井澄夫氏演出のショー『エクレール・ブリアン』には素晴らしいダンス場面があります。それは羽山紀代美氏によるフィナーレの男役の黒燕尾服の振付です。羽山氏の振付師としての出番は近年グッと減ってしまいました。宝塚の振付は独特の雰囲気作りが必要なので、男性だから男役の振付に向いているとか単純な物ではないのですね。今回舞台で踊っている方々が「振り数が少ない分難しい!」という表現をしているのも興味深かったです。私もタップの振付で音が少ない方なので、デュエットの相手役の方からそんな言葉をよく聞くからです。
 今回は2階席からの観劇でしたので大階段に黒燕尾服を着た紅ゆずるさんと男役さんがズラッと並んだ姿が壮観でした。ひとつの動きから次の動きに移る間の使い方や振りの付いていない辺りの処理がまた見事で思わず鳥肌が立ってしまいました!皆さんよく勉強されたのですね。

 最後に大きな羽根を背負って大階段に立つ紅ゆずるさんと2階席の自分が同じ高さ、しかも真ん前に立っているのも仰天でした。もう一度うかがえて良かったです。改めて17年間お疲れ様でした!

天野 俊哉



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