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Vol.351 宝塚大劇場11月−12月星組公演
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兵庫の宝塚大劇場に行ってまいりました。前回行ったのが雪組トップ・スターだった水夏希さんのサヨナラ公演を観て以来なので、実に2年ぶりです。少し待てば東京で上演されるものを、わざわざ高い交通費をかけて観に行くこの醍醐味はヅカ・ファンにしかわかってもらえないので、いつも黙っています。(松本晋一さんと西村麻亜沙さんだけには今回の旅をこっそり伝えておきましたが・・・)
ここ数年、東京と違って兵庫の大劇場では空席だらけとのこと、サヨナラ公演でもやらないと席が埋まらないので無理やり辞めさせられたトップ・スターもいる状況です。今回の柚希礼音さん率いる星組は人気があるので、となりの席の地元の方たちは「“平日”なのに良く人が入っている」みたいな話をしていました。とは言いつつ1階席の後ろの方のアウトサイドは空席だらけです。
2013年にはこの星組公演の演目がそのまま正月の東京公演、3月の名古屋公演そして台湾での海外公演につながります。つまり、予算をたっぷりかけた豪華版と言うわけです。まず和物45分、小芝居45分、そしてグランド・レヴュー55分の3本立て。舞踊及びダンスに限って取り上げますと、「宝塚ジャポニズム〜序破急〜」を植田紳爾氏、「Etoile de TAKARAZUKA」を藤井大介氏と、2人の最もふさわしい演出家をそれぞれ充てたようです。今回はあえてプログラムを見ずに全く白紙のまま観劇に臨みました。これから東京公演をご覧になる方もいると思うので、チョイスして感想を述べます。
まず、植田氏は「絶対こうスタートするでしょ」という見せ場を見事にはずしてくれました。プログラム等でご本人が書いておられるのでここに書きますが「以前フィナーレで使った15分のナンバーをオープニングに持ってきた」ことで、妙に重々しい幕開けとなりました。45分がえらく長く感じるショーでした。逆に藤井氏のレヴューは12星座を扱ったことで華やかです。プロローグの大階段での男役の黒燕尾と娘役のピンクの衣裳で観客がドッと沸きます。トップコンビによる銀橋でのデュエットが私の大好きなモーリス・シュバリエの歌“Valentine”であったり、2番手男役、紅ゆずるさんの絶妙なショー・ウーマンぶりに圧倒されたり、星組のスターたちの実力をうまく引き出した藤井氏らしい演出はさすがです。ただ、扱いにくい星座もあるのは確かで、衣装で失敗している部分もあり、ファンからクレームが付くかもしれません。お正月公演ということで、チケット入手は難しいかもしれませんが、年々減少しているレヴューやショーのある宝塚歌劇を皆さまにお薦めしたいと思います。
天野 俊哉
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