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Vol.1588 音楽家アンドレ・プレヴィン追悼
 3月1日朝のNHKニュースをボーッと見ていた私。ニュースの見出しを見ながら「新元号の発表まであと一月だなぁ〜」と思っていたら、そのすぐ下に《指揮者プレヴィン氏死亡》の文字が!
 もうビックリしました。
 そう、間違いなくアンドレ・プレヴィンの事だったのです。アンドレとは長い付き合いです。もちろん向こうは私を知りませんよ。
 実を言うとアンドレは頭が良すぎて、音楽の才能がありすぎて、ひとつの場所に留まることが出来なかった人であり、アンドレのキャリアはバラエティに富んでいます。

 アンドレの初期のキャリアに関わっている映画人が奇しくもアンドレの少し前に亡くなったスタンリー・ドーネン監督であります(コラムVol.15861587をご参照)。20歳でMGM映画の音楽スタッフ契約をしたアンドレ。あまりに器用だったので、作品毎に仕事もクレジットもちがうのですね。
 Conductor
 Musical Director
 Musical Supervisor
 Arrenger

 どこまでどう音楽に絡む物なのかは詳しくないので省略しますがね。
 ダンスの神様フレッド・アステアとは『土曜は貴方に』『絹の靴下』で、スタンリー・ドーネン監督とは『Give a Girl a Break』『いつも上天気』で、ジーン・ケリーとは『舞踏への招待』で一緒に組んでいます。ただ、学生時代に読んだMGMミュージカルの評伝での若きアンドレは、アステアやケリーの様な人に対して皮肉たっぷりで、私はアンドレの言葉に好意が持てませんでした。
 よって『恋の手ほどき』や『マイ・フェア・レディ』においてアンドレがアカデミー賞を音楽のどの部門でか受賞していても私は全く興味が無いのです。
 ゴメンねアンドレ。

 同じ様に有能なジャズ・ピアニストとしても知られるアンドレですが、代表的なアルバムで、ドラマーのシェリー・マンと組んだジャズ界では名盤の『マイ・フェア・レディ』での演奏もジャケット見ただけでパスしており、今日まで聴いたことがありません。
 ゴメンねアンドレ。

 さて、私が映画ファンになった1970年代のアンドレは『ローズマリーの赤ちゃん』『華麗なるギャツビー』の女優ミア・ファローと結婚していました。その頃のアンドレはすでにMGMだけでなく、映画の世界をも卒業していたのです。ミア・ファローの自叙伝で、ミアによると「彼なら映画音楽の巨匠にもなれたはずなのに、簡単に捨ててクラシック音楽のオーケストラの指揮者になるべく一から勉強を始めた!」とあります。しかも全世界を飛び回りながら、とか。
 私はその後のアンドレの活躍を全く知らず、今回のニュースを見て2009年からNHK交響楽団の主席客演指揮者なるポジションに就いていた事も初めて知りました。また、2011年の東日本大震災で亡くなった方々を追悼する音楽会をニューヨークで開く等、日本人を大切にしてくれたそうです。
 ありがとう!アンドレ。

 あまりに多才すぎた音楽家、アンドレ・プレヴィンのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉



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