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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.643 ロバート・エバンス〜プロデューサーになったマタドール俳優
 戸塚スタジオの関口さんのマタドールの絵からまさかのロバート・エバンス(以下ボブ)。グレゴリー・ハインズ主演の映画「コットンクラブ」のプロデューサーでもある彼は、是非ともこのコラムで取り上げたい人物でした。今回はデビュー秘話を短めに。
 1930年代MGM映画会社には若くして亡くなったアービング・サルバーグという伝説のプロデューサーがいました。そのサルバーグ未亡人で女優のノーマ・シアラーは戦後、スター発掘の仕事に。「若草物語」や「サイコ」のジャネット・リーもノーマにスカウトされ大スターになった一人。
 さて女性用下着の店を構えていた我等がボブは、ある日ビバリーヒルズのプールサイドで日光浴をしている所をノーマにスカウトされる。しかもノーマの亡き夫アービング・サルバーグの役で。
 若くてハンサムな新人ボブはエヴァ・ガードナーやラナ・ターナー(ね、良く出てくるでしょ?)ら年上のハリウッド女優と夜の社交場にデビュー。一斉にマスコミから注目を浴びる事に。
 ジュリエット・グレコ(コラムVol.637)を追い回していた20世紀FOX映画の社長ダリル・F・ザナックが新聞でボブの写真を見て「私の映画で闘牛士を演じるのはコイツだ」と命令が下される。作品はヘミングウェイ原作の「陽はまた昇る」。
 だが、撮影初日、監督はじめ主要キャスト(マタドール俳優では大先輩のタイロン・パワーを含む)から素人同然のボブに反対意見が続出、撮影ボイコット騒動が勃発。
 大もめの撮影現場に現れたザナック、その場にいる全員に向かって「俺のマタドールにケチをつける奴は消えうせろ!」と一言叫ぶと去って行きました。
 感激したボブは「俺は俳優ではなくてザナックみたいなプロデューサーになるんだ」と思ったそうな。
 意外にもボブのマタドールは好評で、ザナックはルドルフ・ヴァレンチノ、タイロン・パワーに次ぐ「血と砂」の3度目の映画化をボブ主演で企画するも実現ならず。これでボブさん、マタドール姿からは卒業となりました。

天野 俊哉




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