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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.571 歌舞伎とナイルと今西さん
 わがカレーなる友、スタジオタップ72の今西康之さん。
 彼が毎年NTDで発表し続けるパワフルな作品の数々に皆さんもくぎ付けでしょう。
 さて、彼のスタジオの生徒さんを別にすると、今西さんがどの様な人物かを知っている人は少ないはず。知りたいでしょ?
 まず、タップ界広しと言えど彼ほどの「読書家」はいません。しかも歴史小説です。彼が持ち歩く大きなカバンには常時2〜3冊は入っているのですよ。
 また、良い意味で「一途」な人です。カレーならこの店、体を動かすならこのジム、整体ならこの医院etc.決してよそ見をしない、人情味あふれる人です。
 そしてつい最近、彼が何と歌舞伎通である事を知りました。しかも亡くなった18代目中村勘三郎さんの大ファンだったとか。
 生前、勘三郎さんが贔屓にしていたのが、私が過去になん十回も通った東銀座のナイルレストラン。今西さんは「勘三郎さんが好きだったナイルのカレーを是非食べてみたい」というので3月に二人でいってきました。
 以前、浦上君白川君と行って以来(コラムVol.341)のナイルレストランですが、平日の2時過ぎというのに満席。お店の前で待たされても「さすが勘三郎さんが通った店だ」と感心する今西さん。
 注文する段階で「お店の人がすすめてくるムルギーランチじゃなくていいんだよ」という私のアドバイスにも「勘三郎さんが食べたムルギーランチを自分も食べてみたい」と今西さん。
 それにしても回りのお客さん全員がムルギーランチを食べてるのにはたまげた。
 運ばれてきたムルギーランチを熱く見つめ「これかあ!」と今西さん。
 私の「全部を混ぜて食べるそうですよ」というアドバイスも耳に入らないご様子。
 凄い勢いで食べながら「美味しい美味しい」「勘三郎さんが食べたんですね」と私に語る。こんなお客さんばかりならコックさんも作りがいがあるというもの。
 本当に喜んでくれ、誘ったかいがありました。
 食べ終わって外に出ると取材のテレビカメラがセッティングされていました。
 せっかくなので新歌舞伎座の見学にも行きました。
 今西さんが演目のポスターを前に歌舞伎の面白さをタップリ語ってくれました。面白そう。なんだか物凄く歌舞伎が見たくなりました。
 今西康之さんてこんな人なんだ!ほんの一部ですが、ご理解いただけましたか?

天野 俊哉




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