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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.329 タップ・ダンサーも必見の本発売 〜フランキー・マニング自叙伝
 皆さんは、書店でダンス関係のコーナーに行かれることはありますか?私は良くのぞくのですが、昔からバレエや社交ダンスの本がほとんどで、タップダンスの本にはほとんどお目にかかれませんね。
 先日も暇つぶしにバレエの本を眺めていたところ、1冊の本が目に入りました。黒人の男女がジルバを踊っている古い白黒写真が表紙の本で、著者がフランキー・マニング。「誰だっけなあ?」と思いながらパラパラとページをめくってびっくり。「マルクス一番乗り」(1937)や、「Hellzapoppin」(1941)などの映画で、ものすごいリンディホップを踊ったダンサーであり、ブロードウエイの「Black and Blue」(1989)で、トニー賞の振付賞をコリー・アトキンス、ヘンリー・ルタン、フェイヤード・ニコラスと共に受賞した、あのF.マニングの自叙伝だったのです!! 信じられますか? 2012年の今になって、70年以上も前に踊っていた人の本が、しかも、日本で発売されるなんて!!
 「リンディーの本でしょ」と思われているあなた・・・本のオビにはセヴィアン・グローバーの推薦の言葉、そして、本文にはビル・ボージャングルス・ロビンソンから著者へのサイン入り写真、バック&バブルズ、バディ・ブラッドレー、テディ・ヘイルをはじめとするタップ・ダンサー達とのエピソードなど、もう読んでいてゾクゾクします。
 また、「チャールストン」「トラッキン」「レゴマニア」「シムシャム」などのダンス用語とその歴史などもていねいに、そして「コットン・クラブ」「サボイ」「ローズランド」などダンスホールの歴史もさりげなく語られています。
 F.マニングにとっては、リンディもタップも同じダンスであって、境界線がありません。彼にとってチャールズ・ホニ・コールズも、バニー・ブリッグスも、みんな仲間なのです。すばらしいですね。
 黒人として差別を受けてきているのに、そのことに長々と触れず、ダンスの話にすぐ戻る文章も嫌味がありません。私にとって特に興味深かったのが、Y'sコラム(Vol.324)でも取り上げたことのある「Hellzapoppin」など、映画出演したエピソードがその作品ごとにじっくり語られていること。もうひとつは、私世代のタップ関係者にとって、ラスティ・フランク女史の「TAP」以前に出版されたバイブル的存在の本、「JAZZDANCE」(1968)がしっかり取り上げられていることです。
 もしこれから読まれる方がいらしたら、各文章ごとにある<注釈>もじっくり読めてしまうほど価値がありますので、お見逃しなく。
 私は全部読み終えるのに10日以上かかりました。おすすめです。(幻冬舎ルネッサンス ¥1,900+税)

P.S. 1999年ニューヨークのローズランド・ボールルームで行われたフランキー・マニング生誕85年記念パーティーがCD化されています。
「George Gee & His Make Believe Ballroom Orchestra “Swingin Away”」(ZRT0720)
興味のある方はどうぞ。

天野 俊哉




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