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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.285 MGMのファンタジー・ミュージカル、DVDで発売
 2月25日、ジュネス企画より2本のMGMミュージカルが発売されます。
「リリー」(1953)
 「リリー」でアカデミー賞にノミネートされたチャールズ・ウォルタースは、ダンサーから振付師を経て映画監督にスカウトされた人です。ウォルタース監督の名作「イースター・パレード」(1948)では、フレッド・アステアが“Happy Easter”を歌いながら町を歩き、おもちゃ屋で“Drum Crazy”につながる、流れるようなオープニング・シーンが有名です。また、アステアとジュディ・ガーランドの二人が出世していく様子をダンス・メドレーで表現した、センスの良い演出も今でも忘れることが出来ません。そんなウォルタースがケンラン豪華なミュージカルを発表し続けていたMGMにおいて、びっくりするくらい、かわいらしいミュージカル「リリー」を作りました。
 主演は「巴里のアメリカ人」でデビューした、レスリー・キャロン。恋人役にはオードリー・ヘプバーンの元夫として知られるメル・ファラー、ハンサムなジャン・ピエール・オーモン、そしてグラマーなザ・ザ・ガボールと、出演者はほんの数人です。ダンス・ナンバーは二つで、二つともL.キャロンの空想として登場します。“Adoration Ballet”では、J.R.オーモンをめぐるL.キャロンと、Z.Z.ガボールのトリオが踊ります。まさにC.ウォルタース・スタイルで踊るオーモンがキザで、魅力があります。女性二人のドレス姿も見ものです。もうひとつ、L.キャロンと等身大の人形たちとのダンス・ナンバーも、多くは語れませんが、こちらもウォルタースの振付なのでスマートに仕上がっています。
 アコーディオンを使った心地良い“Hi-Lili, Hi-Lo”は、アカデミー主題歌賞を受賞しました。とても良い作品です。














「ヨランダと盗賊」(1945)
 Y'sコラムVol.152で紹介したことのある、ヴィンセント・ミネリ監督のMGMオールスター・キャスト・ミュージカル「ジークフェルド・フォーリーズ」(1944)を覚えていらっしゃるでしょうか。この作品には、“This Heart of Mine”というフレッド・アステアとルシル・ブレマーによるダンス・ラブ・ロマンスがあります。10分間のそれはそれは素敵なダンスでしたので、プロデューサーのアーサー・フリードは、同じスタッフ・キャストで1本の映画を作ることにしました。そして出来上がったのが、日本未公開の「ヨランダと盗賊」です。日本ではWOWOW開局の時にテレビ放映されましたが、ビデオ発売はされていません。
 1945年にアメリカで公開された時、ヒロインのルシル・ブレマーに女優としての魅力が無いとか、戦時中におとぎ話がマッチしないとかの理由から、全くヒットしませんでした。長年、失敗作と言われ続けてきた「ヨランダ」ですが、映画の評価は時の流れで変化していくもの。私は初めて観た時から、とても好きな作品の一つです。
 ニューヨークのラジオ・シティ・ミュージック・ホールで美術監督をやっていたV.ミネリの監督作品ですから、まずは、美しいテクニカラーに酔いしれてください。次に、映画全体を覆う不思議なムードに浸ってください。あとは、ダンディーなフレッド・アステアが踊るのを待つだけです。“Dream Ballet 〜Will You Marry Me?”と、“Coffee Time”の二つの大きなダンス・ナンバーで、アステア&ブレマーのデュエットを存分にお楽しみください。振付はユージン・ローリングとフレッド・アステアです。

天野 俊哉




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