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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.2007 もうすぐ生誕100年ドナルド・オコナー(その7)〜最終回です!
 『雨に唄えば』でMGM映画に、『コール・ミー・マダム』で20世紀フォックス映画に、『夜は夜もすが』でパラマウント映画など大手の映画会社のミュージカル映画に主演しながらもユニヴァーサル映画と専属契約を結んでいた為にドナルドさんはB級作品への主演は続きます。ドナルドさんと喋るロバを主役にしたユニヴァーサルの『フランシス・シリーズ』も取り上げる予定でしたが1作目を途中まで観て挫折しました。

『イエス・サー・ザッツ・マイ・ベイビー』
 MGMの専属女優グロリア・デ・ヘヴンとドナルドさんの共演。チャールストン・エイジの1920年代に大ヒットした曲から作られた作品で、既婚学生の子育てとフットボールの両立を扱ったこの作品、テーマが重く、脱線出来なくなってしまいました。ルイ・ダプロン振付のダンス・ナンバーはコインランドリーでドナルドさんの歌とタップ・ソロのみ。クライマックスに設定されてるフットボールの試合はルールが理解できないのでまるで楽しめず。

『ザ・ミルクマン』
 松本晋一さんのビデオ・コレクションを貸して頂きました。アメリカのテレビで放映されたバージョンです。有名なヴォードビリアン、ジミー・デュランテと主演。ヒロインはユニヴァーサル映画売り出し中のパイパー・ローリー。主演コンビのコメディの要素が強すぎてミュージカル・ナンバーがどれも沈んでしまった感じ!ジミーのピアノと歌でドナルドさんがタップを踏むナンバーは最高でした。

『ダブル・クロスボーン』
 ユニヴァーサル・インターナショナル映画になってからこの会社最大の売り物がテクニカラーの海賊映画でした。ロック・ハドソン(196cm)、トニー・カーティス(175〜182cm諸説あり)ら長身の二枚目俳優でなくチビ(といっても170cm)のドナルドさんが海賊を演じたらもう最高!ドナルドさんとヒロイン役のヘレナ・カーターを除けば無名な俳優だらけ、製作費はかなり抑えられたのではないだろうか。字幕に振付クレジットが無い事から分かるとおりミュージカルというよりは歌と踊りの入った海賊映画。最初の方でドナルドさんが酒場で軽い海賊ナンバーを器用に見せる位です。

『ウォーキング・マイ・ベイビー・バック・ホーム』
 ドナルドさんがジャネット・リーと主演したテクニカラーのミュージカル映画。人気テレビ・ドラマ『刑事コロンボ』での評判の高いエピソード「忘れられたスター」に登場する事で知られる作品。近年、名画座シネマヴェーラ渋谷で上映されました(関連コラムVol.158をご参照)。

『バスター・キートン物語』
 私が12歳の時初めてドナルドさんの名前を知った記念すべき作品です。1980年代にベストセラー作家になるシドニー・シェルドン脚本・監督によるパラマウント映画ですが勝手に脚色された内容にキートン夫妻が愕然としたそうです。ただしキートン指導によるドナルドさんのキートン名場面に気持ちが集中します。キートンの芸を知る人からは「やはりバスター・キートンの芸を再現するのは無理だった」と批判されたそうですが、私はドナルドさんだったからこそここまでキートンに近づけたのだと思います。ドナルドさんがヒロイン役のアン・ブライスを実際のキートン邸だったイタリアン・ヴィラに案内する場面と熟睡するアン・ブライスをベッドに運ぶキートン十八番の芸を見られたのが嬉しかった。

 7回に渡ってハリウッド映画が生んだ素晴らしいタップ・ダンサーでありコメディアンのドナルド・オコナーさんを取り上げました。何となく気になった方は今すぐにYouTubeで検索して頂きたいと思います。

天野 俊哉



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