ジャズダンス, タップダンス, JazzDance, TapDance

Vol.1926 2022年新春Y's取材班さんお楽しみ映画祭

　年末年始は昨年購入してから封も切らずに保管したままの古いハリウッド映画の輸入DVD10数本、藤山寛美さん全盛期の松竹新喜劇の舞台DVDBOX、日本の名監督木下恵介作品DVDBOX、今年没後45周年を迎えるロックの王様エルビス・プレスリーがハリウッド・スターとして活躍していたミュージカル作品10数本、フランスの名優シャルル・ボワイエの名作DVDBOX、そして書店販売の廉価版DVD BOX10枚組シリーズなど、なんだかんだ50本位を順次鑑賞する時間にあてるつもりでした。が、年賀状書きやら、友人の出演する舞台観劇やら、大掃除やらで鑑賞出来たのはほんのわずかでした。

　昨年の秋頃から大宮駅店やせんげん台駅店など埼玉エリアのBook Offに出没し始めたのが『三池崇史監督DVD BOX』という6枚組の商品。三池崇史監督は、アメリカのクエンティン・タランティーノ監督が崇拝する日本のバイオレンス映画の巨匠。やや薄汚れた紙のケースに収納されているのは『新宿黒社会』シリーズなど三池監督初期の作品集らしい。近年では青少年でも鑑賞出来る作品を監督したり、やや娯楽作品寄りになって毒気の抜けた感じの三池崇史監督ですが、監督デビュー当時はバイオレンスに徹しておりました。
　さて、お分かりとおもいますが私の興味は三池監督ではなく、あのY's取材班さんであります。取材班さんは谷原章介さん初主演の三池監督作品『極道戦国志不動』（1996）（コラムVol.1813）に出演されていたので「もしかしたらこの手元にある6作品の何れかに出演されているのでは？」と感じたのであります。
　いや、間違いない！
　悩んでいても仕方ないのである情報筋に探りを入れると確かにその内の1本には出演しているらしい！Y's取材班さんの三池崇史監督作品出演作品が全部で6本あるという情報も得られました。

　しかし、そのBook Offで売られているDVD BOXも決して安くは無い！そして約1ヶ月かけてレンタルのTSUTAYAを含めて探しまくりやっとのことで2作品だけ見つけました！

『新宿黒社会　チャイナ・マフィア戦争』（1995年）
　当時の新宿歌舞伎町界隈はこの映画でみる限り今より殺伐としている。映画街や新宿コマ劇場や地下にあったシアターアプルが懐かしい！牛丸謙先生主催の『NATIONAL TAP DAY』ってこんなガラの悪い場所で開催されていたのですね！ウソみたい！そう言えば朝の時間帯に劇場前の通りで客引きに「お兄さん、抜いてかない？」と必ず声をかけられてましたっけ。結構裏通りとかを歩くのが好きだったので街の風景が懐かしい。
　さてさて映画は椎名桔平さんが主演で、新宿署のアウトロー刑事役。とにかく走る走る走る！物凄いタフぶりを見せてくれます。そんなアウトロー刑事の椎名さんがさぐっている中国のボスの情報を椎名さんに説明する重要な警察官、新宿署の資料係役を演じるのが若き日のY's取材班さん。残念ながらお顔のアップはありませんがたくさんのセリフをいつもの巻き舌ではなく滑舌良く喋られます。もちろんスレンダーです。この後殺されることもなくフェード・アウトですが、わたくし満足です。ここだけ何回も見返してしまいました。

『新宿アウトロー』（1994）
　実はこちらが三池監督のデビュー作品とか。主演の渡辺裕之さんて1980年代に『愛の嵐』というコテコテの昼ドラで有名になった俳優さんですが、銀座のライブ・ハウスでジャズ・ライブに出演してドラムを叩いていたり、今日に至るまで私的には良く分からない方であります。なるほど、こうしたアウトロー役も絵になるんですね。
　さて、日本のやくざ屋さんと台湾マフィアとの闘争を描いたこの作品も舞台となるのは新宿です。Y's取材班さんは台湾マフィアの若頭役で流暢な台湾語を喋られます！最初は新宿の裏道で沢山の若衆を連れてチンピラからお金を取り立てる場面、次は日本のやくざ屋さんとの殺し合いの場面、やきとり横丁を闊歩したり、映りは悪いですが歩道橋でパンチやキックのアクションを見せたり。途中功夫の達人がやくざ屋さんをボコボコにして拍手する時も何か目立っている！笑える！
　最後は渡辺裕之さんが台湾マフィアのボスのアジトに乗り込む場面ですが、物凄く画面が暗いのと展開が早いので何度も見直しました。取材班さんはせっかく《ボスの楯》にされて、終いには渡辺さんに撃ち殺される名演技を披露されているのに映りがいまいちでした。でもボスの楯にされるって、殺され方としては大役ですよね？何か正月早々得した気分になれました。

　今回はY's取材班さんが若き日に出演された三池崇史監督作品を取り上げました。
　いやあ、楽しかった！

天野俊哉