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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1866 SKDスタスレヴュー/2021夏のおどり
《しぶちか》
 長いこと改装の為にクローズしていた渋谷地下のミニ商店街、通称しぶちかがようやくオープンしました。通路にはワンちゃんネコちゃんの足跡マークがあったり、ダンス洋品店があちこちにあったりやや庶民的な雰囲気がありましたが、どうしたことか!オシャレになったのは良いけどどのお店も狭いし個性が無くなってしまった。プリン君のオモチャをよく買ったワンちゃんのいるペットショップは元の場所とは真逆の場所に移っている。でもワンちゃんはいないぞう。そして何よりショックだったのは我々昭和世代のダンサーにとっての聖地だった舞台衣裳のヤマダが無いのです。店を閉めてしまったのですね。仲間9人で“フォー・ブラザーズ”を踊った時に着た白黒のダイヤシャツを始め素敵なデザインの物が多かった。戻ってきて欲しかったです。

 少しばかりナイーヴになったせいか、この街に古く、35年前から西武百貨店の地下にあるインドカレーの老舗店タンドールに寄りました。今西康之さんや松本晋一さんと何度も来たことのある店ですが、デルタ株のせいで客足が遠のいてしまったせいかガラガラでした。

《SKDスタスレヴュー公演》
 浅草に移動して浅草唯一の遊園地、花やしきに隣接する浅草花劇場での夏の踊りの観劇です。
 このSKDスタスがどの様な物なのかは前回のコラムVol.1824に書きましたのでご覧頂くとして、今回もカッコイイ男役、海斗レイさんのキザっぷりを堪能する事が出来れば、と足を運びました。チラシの出演者を拝見した時はレヴューの大きな魅力のひとつである男役さんの不在が目立ちましたが、ベテラン榛名珠利さんを筆頭に奈央海ゆうさんと海斗レイさん2人の成長がとても感じられる公演となりました。
 そして毎回不思議に思うのがメインの女役さんの客席に向ける艶っぽい表情。タカラジェンヌが絶対見せない類いの表情。SKDは劇団として存在出来ていないのに、若い彼女達の表現の仕方は昔と同じなのですね。何故か伝統が受け継がれてしまっていて驚きです。
 今回、振付スタッフにSKDレヴューのベテラン振付師の西崎真由美さん、SKDOGの明石薫さん、銀ひ之でさん、富士輝子さん、瀧園子さん、高城美輝さんらがズラッと参加されているのでいつもよりクラシカルな雰囲気もありました。それは逆に若いダンサー達には動きづらい振りだったりするものです。
 オープニングの“津軽おはら節”では海斗さんが和傘2本の超難解な振付に挑戦、手に汗握りました!ベテラン振付師が担当したオープニングと奈央海ゆうさんが女役さんとしっとり踊る“浜辺の唄”が際立っていました。南国の3組のカップルが見せるラテンジャズのナンバー(瀧園子&明石薫振付)もいつになく皆さん苦戦しているように見えたのは気のせいかな?
 海斗さんが若手男役2人を引き連れたナンバーも素敵でしたが、榛名珠利さんを中心に4人の男役がキザるギャンブラーのナンバーが好きでした。
 銀ひ之でさん振付のラインダンスが“イン・ザ・ムード”か?と少しでも馬鹿にした私の方が馬鹿でした。簡単そうなのに何故か緊張感のあるガールズの動き、特に脚のあげ方が半端ない!と思いました。『夏の踊り』という事でラテン系の露出度の高い衣裳を中心にフィナーレの“Sing Sing Sing”も珍しいラテン・アレンジ。

 今回もソーシャル・ディスタンスをとった指定席での販売でしたが、お客様も少しずつ戻ってきてる様でした。また浅草国際通りにある老舗洋食店アトレヤンの店先にスタス・レヴューのポスターが貼られているのも嬉しかったです。まだまだ時間はかかりそうですが、エンタメ業界頑張って欲しいものです。

天野 俊哉



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