TAP DANCE LOGO
INSTRUCTORS
STUDIO : 戸塚スタジオ
NETWORK
SCHEDULE
EVENTS
COLUMNS
DANCE TEAMS
LINKS
OUR MASTER : 佐々木 隆子
COLUMNS

Vol.1848 河上莉音さん出演『天満月の猫』を中野で観劇しました
 橋本祥さん主宰《スタジオGAMBA》の若手女性タップダンサーの河上莉音さんが出演する舞台を観に中野まで出掛けました。

 河上莉音さんとは『東京リズム劇場』で3公演もご一緒したのにお芝居でもダンスでもあまりご縁がありませんでした。わずかに2018年の「フィギュア・スケートのコント」でほんの少しだけ河上さんと舞台に出ましたが。河上さんは浅田真央ならぬ深田真央選手役、オリンピックで金メダルを目指して見事にメダル獲得。隣の変なカツラを被ったオヤジが私です。専属コーチ役で「頑張ったね!」とイヤらしくハグをして、椅子に座って結果を待つだけの役でしたが楽しかったです。河上さんはフィギュア・スケートっぽい振付のタップダンスを器用にこなして大きな拍手を受けていました。

 さて、今回河上莉音さんが出演される『天満月の猫』が上演されるのが中野ザ・ポケットという劇場。中野サンプラザや中野ブロードウェイとは逆方向のあまり歩いたことのない南口、線路沿いを少し歩いて左折、静かな通りを進み、ミニ商店街を進むと見えてきたザ・ポケットはこの総武線エリアにありそうな独特な佇まい。写真をご覧頂ければお分かりの通り「この劇場なら絶対に面白いお芝居のはず!」と思わせてしまう魅力がこの外観にはありますね。
 場内はひな壇式でとても観やすい。入口が1階で、舞台が地下1階という構造ですね。既に緞帳は上がっていて写真の様なセットが組まれてました。
 さて、先日の郡司聡美さんが出演された『クロス・フレンズ』の公演と似ているのがロビーで出演者のブロマイドが販売されていて公演DVDの予約を受けつけている事、客席にいるお一人様の男性客の雰囲気が演劇通というよりは出演されてる誰かのファン、に違いない事。そんな私だって河上莉音ファンの立場やんか。
 とにかく不思議な客層。聞いてみたかった!ちなみにそんな男性客の皆さん7800円の席に着席されてました。
 多分ですが、どちらかの劇団の公演ではなく興行なのかも知れませんね。主役の米内佑希さんは橋本祥さんの教え子で現在は声優さんとのこと。出演されてる女性の方もアニメの声優さんとか、元AKBみたいな方が多いのかも知れません。
 この男性客の皆さんは多分8回ある全ての公演を観て、お気に入りの出演者のブロマイドを何枚も(保存用含めて)買って、映像配信もDVDも予約をするのだと思います。私たちタップ・ダンスの世界はいまだに出演者が身内にチケットを売る昔ながらの手売り、《チケット・ノルマ》システムでしか舞台出演が出来ない事を考えると、最近のこうした興行の方がはるかに進歩的なのですね。

 さてこの『天満月の猫』は猫の世界を舞台にしたお芝居なので特にミュージカル作品では無いようですが、全員が踊るフィナーレナンバーの構成、フォーメーションは素晴らしかった。
 人間に飼われていた米内佑希さん扮するお坊ちゃん猫が天満町という野良猫の世界に飛び込む!というお話が2時間ノンストップで繰り広げられました。
 28人の出演者が猫、鼠、アライグマなどに扮するのですが、最初は気楽な展開だったのに主役以外の全てのキャラクターに独自のストーリーを持たせるという次第に重い内容になってくるのは私には辛かった。特に声と影でしか登場しない人間の存在や演技が上手すぎてリアル、猫達を虐待する場面はもう少し軽めにして頂きたかった。それを除けばあの狭い舞台に28人、いや28匹を入れ替わり立ち替わり動かす浅野泰徳氏の台本と演出には拍手を送りたいです。
 我らが河上莉音さんは《ダンサー》としての出演なので役は付いてませんが3人、いや3匹の猫ちゃん衣裳でオープニングの長いダンスから歌謡曲バーの場面でママ猫のボレロ風の歌のダンスをはじめ、アクロバットもサラリとこなし、さらにセリフもありました。また、振りの付いていない素の部分でも猫らしい仕草や雰囲気を上手く出せていました。今回の様なレベルの高い振付であってもバレエもジャズもヒップホップもこなせる河上さんならお手のもの!たっぷり魅せて頂きました。また金メダルでしたよ。

 私がうかがった回には河上さんの師匠、橋本祥さんをはじめスタジオGAMBAの皆さんも応援に見えていました。
 橋本さんには先日の配信ライブ(コラムVol.1838)の裏話からプライベートで飼われているワンちゃん達の事まで沢山聞かせて頂きました。
 8月にはその配信ライブの3回目が予定されてるそうですので、皆さまにも絶対にオススメしたいと思います。

 楽しい1日でした。

※写真の掲載は承諾を得ています。

天野 俊哉



Copyright 2005 Y's Tap Dance Party. All rights reserved.