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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1817 祝30周年『ナショナル・タップ・デー』
 日本で初めて『ナショナル・タップ・デー』(以下NTD)が開催されてから今年の4月で30年になります。現在、プロデューサーの穴田英明さんを中心に活動する『ナショナル・タップダンス・デー』とはかなり違うものでした。そもそも日本タップダンス界の大御所でおられた中川三郎先生の音頭でお弟子さんのひとり、牛丸謙先生がプロデューサーとしてスタートさせましたが詳しい事はよく知りません。
 1991年の2月、私達の師匠である佐々木隆子先生と私が思いつきから『第1回NTD』参加する事になった経緯はコラムVol.14201421をご覧下さい。

 新宿の歌舞伎町なんて今ではタップ関係者のほとんどが足を踏み入れない柄の悪い場所に存在したのが新宿コマ劇場、その地下に1982年オープンしてのがダンス公演に適したキャパシティが700というシアター・アプルという中規模劇場でした。入り口から場内に至るまで赤い絨毯が引き詰めてありゴージャスなムード満点、当時としては珍しくお酒を提供するバー・カウンターもありました。町の喧騒を忘れさせてくれる空間でもありました。1991年から2003年まで開催されたNTDで様々な出来事がここで起きたのですね。今となっては懐かしい想い出です。

 ちょうど1年後に隆子先生の命を奪ってしまう憎き病気の手術から少しして開催されたNTDですのでリハーサルにも、本番のフィナーレにも元気に参加はされてました。牛丸先生のスタジオをはじめ10近いタップダンス教室が出演しました。
 第1部は各スタジオからの選抜メンバーによるショータイム、第2部が現在と同じく各スタジオの作品集という構成。
 玉野和典さんを筆頭にミュージカルやダンスショーで活躍されてる方々が沢山いて非常にレベルの高い内容でした。
 振付スタッフだけ挙げても
 中川裕季子先生
 佐々木隆子先生
 郡司行雄先生
 玉野和典先生
 杉本幸一先生
 本間窓奈さん
 松本真理先生
 藤井真梨子先生
 牛丸謙先生
 中川三郎先生
 日本タップダンス界のレジェンドの先生ばかりがズラーッと並んでいました。
 この初期のNTDの特徴は何と言っても稽古期間の短さで、藤井先生振付の第1部フィナーレの振付は本番のひと月前、2回目が合同リハーサルで、そして本番当日のゲネとたったの3回でしたがさすがプロフェッショナルな方々、本番ではピタッと揃って実に圧巻でした。

 スタジオのマネージャーみたいな立場で最初のNTDに関わった私は2時間に及ぶ映像をカメラにおさめました。そこには佐々木隆子先生の元で育った仲間たちとの青春の1ページがしっかりと記録されています。リハーサル前にシアター・アプルのロビーで佐藤昇先生指揮の下、動きの確認をする倉形裕代先生や淺野康子さんたち女性ダンサーの皆さん、リハーサルでひとおどりしたあとの皆さんの不安げな表情、無茶ダメ出しを聴き入る佐藤先生の憮然、じゃなくて毅然とした表情、客席から舞台上のダンサーにダメ出しをする押田勝年君etc.
 コロナが落ち着いたら上映会を開いて皆で観賞したいと思ってます。

 『ナショナル・タップ・デー』30周年おめでとうございます!そして来年こそ『ナショナル・タップダンス・デー』が開催出来ますように!
 お祈りしております。

天野 俊哉



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