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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1758 2020年秋/吉野寧浩さんアイリッシュ&タップ・ダンス公演
 さあ、いよいよ10月になりました。2月末より休講していた区が運営するスポーツ教室がやっと再開されるのでまた忙しい日々が戻ってきます。毎日の規則正しい生活が体型サポートに繋がるので私にとってはヘタなダイエットよりも効果があるのですね。ちなみに目標は、マイナス2sです!
 次。
 さあ、いよいよ
 また?
 はい。以前コラム(Vol.1744)で触れましたが、大阪からタップ仲間の吉野寧浩さんが上京。10月初めの日曜日、朝から小雨が降っていました。この日は仕事の後帰宅せず公演のある夜まで外で過ごす事に。
 不味いですよね?
 無駄遣いですか?
 大丈夫「心を入れ替えました」から。
 これ、私の父の晩年の言葉なんです。
 若いときから競馬と株にのめり込んで貯金を使いきってしまった後悔の言葉みたいですが、常に競馬新聞や数字とにらめっこしてきた事で89歳まで頭がしっかりしていた訳ですから無駄では無かったのでしょう。
 そうですよね?
 自分の好きなことに没頭する事って大切ですよね。
 なんか納得。
 で、タップの公演はいつ始まるのか?
 すみません、まだ開場まで時間がありますから。

 この日は池袋の隣の要町で『おもひつ記』という古本を購入しただけ。これは宝塚歌劇団の設立に貢献した初代理事長、小林一三氏が戦後の歌劇誌に毎月掲載してきたエッセイを全て集めた、という凄い本であります。関西の吉野さんの舞台を観る前に下ごしらえするにはちょうど良いセレクトじゃありませんか?
 さて、小林一三氏じゃなかった、吉野さんが公演を行うのが舞台芸術学院、通称《舞芸》。吉野さんはこちらの学校を卒業された方です。こちらの学校に併設されている舞台にうかがうのは2回目。もう30年も前、現在は劇団フォーリーズで活躍している森隆二さんが在学中に出演したミュージカル公演を観たのが最後。懐かしい。緑に囲まれた池袋西口の中でも自然に恵まれた地区に近い素敵な学校なんです。開場時間を少し過ぎて到着、入口で置きチケットを頂きましたが、ここで『東京リズム劇場』の名優のひとり浅川新さんに再会。場内ではさらに『東京リズム劇場』の名優、竹下恭平さんとタップ界きっての名歌手、森田洋輔さんとも再会出来ました。さらにNAO HASHIMOTOさんや米澤一輝さんも見えてました。彼らのような若いタップ・ダンサーがわざわざ足を運び、何かを得ようとする姿勢にはただただ感心しました。

 この公演一言で言うならば
《アイリッシュ・ダンスを学べて、吉野寧浩氏を知る事が出来る》公演。フィドル、ギター、パーカッションら3人のミュージシャンと女性ナレーター、そして吉野さんまでが然り気無くアイリッシュ・ダンスの歴史や曲紹介をしてしまう上手い演出。吉野さん、ワイマレス・マイクが足りないから、と長身をかがめて足元にあるタップ用のマイクでMCを始めた時はタマゲタ!結局狭い会場なので充分に地声で事足りましたがもうほんまオモロイ人や!
 また、舞芸時代にタップの指導をされてた吉田タケオ先生の話題になると何故かタケオ先生の声色になって語りだす可笑しさ。さすが関西人らしい喋りの上手さに脱帽。ただ、このタケオ先生節が再三登場するので、周りで聴かされていた若いお弟子さん達が「またか?」とドン引きしてました。悪いと思いつつ、彼らの気の毒な姿に再び爆笑してしまいました。

 吉野さんのアイリッシュ・ダンスに出会って15年近くなりますが、彼がタップそのものを踏む姿を客席から観るのは初めてでした。日本一の女性タップ・ダンサー、みすみ“Smilie”ゆきこ先生とのソフト・シューのデュエットはみすみ先生のステップを踏まれる幸せに満ちた笑顔が最高に素敵でした。お2人のデュエットをもっと拝見したいですね。またアイリッシュのステップやコミカルな雰囲気を取り入れた吉野さんのソロ・ナンバーも収穫でした。
 そして、吉野さんと一緒に上京した子供の頃からの長いキャリアを持つ頼もしい5人のお弟子さんたち。これからも愉快な師匠を支えていって頂きたいと思います。
 ガッツリ1時間半のラストを飾ったのが吉野さんの十八番である“情熱大陸”。大きな拍手に続いて沸きあがったアンコールにアンコール・ナンバーを用意していなかった様で一瞬ビビってました。

 今回非常に上手い歌手の方がアイルランド民謡の“ダニー・ボーイ”を前半に、名曲“ユー・レイズ・ミー・アップ”を後半に、それぞれ聴かせてくれたのですが、この2曲が何となく似て聴こえてしまって困りました。“ユー・レイズ・ミー・アップ”のメロディの部分から何度も何度も“ダニー・ボーイ”のメロディに繋がってしまうのです。そんな事ってないですかね?後で会場にいる森田洋輔さんに聞いてみよう?と思っていたのに忘れてしまいました。このコラムを読まれた方、ぜひ一度YouTube等でこの2曲を聴いてみて下さいね。

 お疲れ様でした!

天野 俊哉



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