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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1749 宝塚歌劇星組公演(2020年9月)
 ソーシャル・ディスタンスの為に観客席の50%しかチケット販売が出来ない現在の宝塚歌劇。すっかり諦めて中古販売されている昔の公演DVDを買いまくって日々テレビの前で観劇していたある日、ヅカファンの方からのまさかのお誘いが。貴重な、レアなチケットを私なんかに譲って下さる事に。先のコラムで取り上げた礼真琴さん主演の星組公演なのですね。
 平日の昼間に東京宝塚劇場まで出掛けました。ずいぶん久しぶりです。お正月の宙組公演以来ですからね。宙組公演でのショー『アクアヴィーテ』(関連コラムVol.1692)があまりに素敵だったので調子に乗って3回も通ってしまったのですが今考えると正解だったようです。

《まさかの入場制限》
 早めに有楽町駅に着いたのでそのまま劇場に向かいましたが、劇場に隣接するキャトルレーヴも、シャンテの地下にあるキャトルレーヴも入場制限で全く入店出来ません。
 時間を潰せる場所がない。
 さて、そんな時の為にシャンテ3階の書店をオススメいたします。キャトルレーヴみたいに宝塚や演劇の本が沢山ありますよ。たまたまトミー・チューン演出、珠城りょうさん主演の月組公演『グランド・ホテル』のDVDの在庫があったので購入。レジで宝塚チケットの半券を見せたら¥200引きになりましたよ。ラッキー。

《感染予防の取り組み》
 さて、入ろっか?
 当然の事ながらこの劇場入口でも行われている検温ですが、「もし37.5℃以上の方が出たら劇場側はどんな反応を示すのでしょうか?」気になる。
 36.4℃でした。
 さて、感染予防の取り組みとして観客席のソーシャル・ディスタンスに加え、出演者が客席に下りてくる演出の変更、出演者の削減、オーケストラ演奏の中止等があげられてますが一番気になるのはやはり演奏でしょうか?最近酷い時には10分位録音が続いたり予算の問題だったのかも知れませんがオーケストラの在り方が気になってました。もしかしたら今後録音に一本化するんじゃないのか?なんてです。
 かつてこの東京宝塚劇場を建て直していた1998年から2000年までの3年間に帝国劇場と有楽町駅前の宝塚1000DAYS劇場では当然の事ですが録音での上演でした。私は何が何でも生のオーケストラ演奏で宝塚を観劇する、という妙なこだわりがあるのでその間兵庫の宝塚大劇場に、凄い出費でしたが毎公演通っていたのですね。再びオーケストラの皆さんがオーケストラ・ボックスに戻って来ます様に。そしてダブルキャストで半分の公演にしか出演出来ないタカラジェンヌの皆さんが1日も早く全員で舞台に上がれます様に。
 オフでお菓子ばかり食べ過ぎない様にお気をつけ下さいね。

《今までと違う事?》
 場内に着席して変わったことと言えばやはり観客数が半分のせいと「お静かに願います!」のアナウンスの影響か?物凄く静かな事です。2ベルが鳴っていよいよ始まるその数秒間の静けさもオーケストラの楽士も指揮者もいないのでお客様もどことなく手持ち無沙汰な感じでした。まるでお葬式が始まる前みたいな厳粛な空気、少なくともワクワクした楽しい雰囲気はありませんでしたね。
 あとは女性客に皆さんがご自分の荷物を空いてる隣の席に自然と置かれる心理は席が空いてようが空いてまいが自分の荷物は膝の上か足下に置く私にはよく分かりません。左側か、右側か、ひじ掛けの様なトラブルなど起きないことを祈ります。

《舞台の魅力って》
 先のコラムでDVD映像で観た中村一徳氏演出のShow Stars『RAY-星の光線-』を男性振付師の多用が少しばかり強すぎる!みたいな感想を述べました。今回2階席から全体を見渡す観劇をしてみて意外にも強すぎる振付があの大劇場の空間にはちょうど良いと思いました。すみません!

 また、この事でひとつ感じたのはやはりコンサートでもダンスでも芝居でも舞台のエンタテインメントは生で客席から観なければいけないものだな、ということです。現在盛んにおこなわれている動画配信はあくまで一時的な策であると、製作サイドが理解してゆかないと舞台エンタテインメントは滅びてしまうのではないでしょうか。大金をかけた宝塚歌劇やジャニーズのコンサートであってもDVD映像はあくまで観劇後の記念購入とか行けなかった人の為の購入だと。
 うまく言葉に出来ませんが強くそう思いました!

 ショーのグランド・フィナーレで、客席が半分しか埋まっていないにもめげず懸命に手をふっている出演者の姿を見ていたら何だか涙が溢れてきてしまいました。客席で観劇出来て本当に良かったです。
 お疲れ様でした!

天野 俊哉



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