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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1723 ハードボイルド映画をDVDで
 書店で販売されているコズミック出版のDVD BOXが熱い!ハリウッドの三大ギャング映画スターのエドワード・G・ロビンソン、ジェームズ・キャグニーそしてハンフリー・ボガート主演のギャング映画を中心に10枚組の『ギャング映画コレクション』が何と4セットも発売されたのです。トータル40作品、かつてアメリカで同じ様なシリーズが販売された時、松本晋一さんにお願いしてわざわざ買ってきて頂いたものです。40作品中半分は初めて観るものなので嬉しかったのですがこの3人、大スターゆえ作品にも役柄にも隙が無さすぎてまるでコラムにならないのですね。陽気な雰囲気の中に鋭さをみなぎらせるロビンソン、豊かな表情とキビキビとしたスピーディーな演技で観客を虜にするキャグニー、徹底して悪を貫くボガートのストイックな役作り等、もう完璧なのですね。つまらない作品がほとんどありません。ある意味残念です。

 さて同じコズミック出版のDVD BOXには『サスペンス映画コレクション/名優が演じる戦慄の世界』なるものがあります。いくつか気になる作品がありましたので取り上げてみましょう。

『殺人夜想曲』 原題 “Nocturne”
 主演の刑事を演じるジョージ・ラフトは本物のギャング、バグジー・シーゲルとお友達だった人です。ラフトさん何故か作品選択の下手な人でギャング映画の名作『ハイ・シェラ』や探偵映画の名作『マルタの鷹』にいち早くキャスティングされたのに「俺には向かない!」と簡単な理由で断ってしまいました。代役としてその2本に主演して大スターになったのがハンフリー・ボガート。この『殺人夜想曲』みたいにモタモタした切れの悪い犯罪映画を選んでいるので本当に台本を読みこなせないのかも?この作品で怪しいピアニストを演じるちょいと不細工な男優が気になったのでクレジットを確認すると《ジョセフ・ペヴニー》とあります。後に映画監督に転身した人物なのですねペヴニーさんは。ジェフ・チャンドラー主演の戦争映画『全艦発進せよ』、マーティン&ルイスのコメディ『底抜け最大のショウ』、エロール・フリンのスパイ映画『イスタンブール』なんてペヴニー監督作品のタイトルがスラスラ出てくる位懐かしい名前です。フランク・シナトラが名曲ばかり歌いまくるミュージカル『MEET DANNY WILSON』ではシナトラと相手役の女優シェリー・ウィンタースの仲が険悪過ぎて喧嘩ばかり、ペヴニー監督らスタッフが振り回されて大変だったとか。困り果てた顔が目に浮かぶ?

『生まれながらの殺し屋』 原題 “BORN TO KILL”
 監督のロバート・ワイズは後に『ウエスト・サイド物語』や『サウンド・オブ・ミュージック』等の名作ばかりを作る凄い監督に。
 主演のローレンス・ティアニーはマジで取り立て稼業から俳優になった人物。表情も華も無いあたりが逆にリアル過ぎて怖い!『生まれながらの殺し屋』から45年も後にこんな地味なティアニーさんにギャング団のボス役をオファーしたのがあのクエンティン・タランティーノ監督。作品が『レザボア・ドッグス』でハーベイ・カイテルやスティーブン・ブシュミら超曲者ばかりを束ねる大物役にティアニーさんぴったりでした。近年サウンドトラックがテレビコマーシャルで使用されたり『2018年のNATONAL TAP DAY』ではJUN TAP STUDIOの大高純子先生がハードボイルドでお洒落なレディース・ナンバーを振付されてましたね。

 今回ご紹介した『ギャング映画コレクション/暗黒街の黙示録』と『サスペンス映画コレクション/名優が演じる戦慄の世界』は共に6月に発売されたばかり、大きな書店で販売されてますので興味のある方にはオススメします。

天野 俊哉



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