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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1677 ロバート・エヴァンス追悼〜ハリウッド最後の映画プロデューサー
 まさかハリウッド映画がここまで落ちてしまうなんて誰が想像したでしょうか?もうディズニーの尻に敷かれっぱなしです。
 情けない!
 とにかく「観たい!」と思わせる作品が全く無いのはスターと共に企画不足なのです。

 少なくとも1990年代まではハリウッド映画は存在していました。それは、魅力的な企画を立案する優秀な映画プロデューサーが存在していた事になります。先日亡くなったロバート・エヴァンス(以下ボブ)は正にハリウッドが生んだ最後の映画プロデューサーだったかも知れません。ボブの映画界入りのきっかけがジェームズ・キャグニー主演映画での敏腕プロデューサー役でした。俳優としては泣かず飛ばずでしたが(コラムVol.643をご参照)、その時に知り合った映画関係者がボブの財産になりました。1960年代後半、倒産寸前だったハリウッド映画の名門パラマウント映画にプロデューサーとして招かれ念願の映画作りをスタートさせました。
 『ローズマリーの赤ちゃん』
 『ある愛の詩』(関連コラムVol.1141
 『ゴッドファーザー』
 『華麗なるギャッビー』
 『マラソンマン』
 『ブラック・サンデー』
 『アニー』
 『コットンクラブ』
等、ハリウッド映画を代表する名作だらけ。もう何回観たことか?
 そしてボブがスカウトしてスターになったのがロマン・ポランスキー監督、ミア・ファロー、アリ・マッグロー、ライアン・オニール、ジャック・ニコルスン、ダスティン・ホフマン、アル・パチーノ、そして我らがタップ・ダンサーのグレゴリー・ハインズ。素晴らしい映画、ハリウッド・スターのオンパレードです。

 ボブには『くたばれ!ハリウッド』というご機嫌な自叙伝があり、本音トーク満載の内容なのです。日本では1990年代に単行本として、2000年代には文庫本として発売されただけでなく、同じタイトルの映画まで製作されました。
 映画プロデューサーとしてのエピソードに加え、そのプライベートにおける奇想天外なエピソードも包み隠さず全て書いているので驚くばかり。ミア・ファローをめぐって当時のミアのご主人フランク・シナトラとの確執や『コットンクラブ』におけるフランシス・フォード・コッポラ監督との確執をはじめ、ビヴァリーヒルズで起きた女優シャロン・テートの惨殺事件に巻き込まれそうになったり、ボブの奥さんだった女優アリ・マッグローがスティーブ・マックイーンと駈け落ちしてしまったり、映画『コットンクラブ』製作に参加したライターの殺人事件の容疑者にされたり、とにかくスケールが違うのです。物凄く分厚い本ですが一気に読めるので皆さまにもオススメいたします。

 ロバート・エヴァンスのご冥福をお祈りいたします。

天野 俊哉



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