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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1552 森新吾さん第2彈『ダンスカンタービレ2018』
 この夏「森新吾さんのキレッキレッのダンスを見てください!」とY's仲間の淺野康子さんと渡部直子さんからすすめられた天野が早速予約したのが11月23日に上演された『アクトカンタービレ』でした(コラムVol.1545をご参照)。最初は『アクト』をあんまり深く考えなかったのですが、キレッキレッのダンサーである森新吾さんがダンスを封印して挑戦したのがアクト、つまり演技だったのですね。
 私はハリウッド映画の偉大なるダンシング・スターであるジーン・ケリーが、歌いも踊りも笑いもしない演技だけの映画も全て観てるので『アクトカンタービレ』大歓迎でございました。
 森新吾さんは21世紀に発生した男だけのエンタテインメント集団である《DIAMOND☆DOGS》のメンバー。ちなみに彼等の一回り上がCONVOYの皆さん、という話をよく聞きます。
 先日、たまたま『アクトカンタービレ』のインスピレーションの元になったという映画『レザボア・ドッグス』をテレビで観ましたが、森新吾さんの舞台作品はタランティーノ映画の暴力描写を排除して、あくまでも気の利いた会話で魅せていた事に改めて感心しました。

《そしてダンスカンタービレ2018》
 Y'sの渡部さんが初日を観劇後にメールをくださり
「初日満席でした!」
「メンズ多数来てます!!」
「メンズトイレに行列が出来る光景は凄いです!!!」
なる文章が並んでいました。何故メンズにこだわるか?と言うと、『アクトカンタービレ』の会場に来た観客のほとんどが女性だったので、私が目を丸くした!からに違いない。
 それにしても《メンズトイレ》でっか?このメンズが殺到する理由は森新吾さん以外のダンサーが皆さん女性であり、元タカラジェンヌの風花舞さんと舞羽美海さんに加え現役AKB48メンバー藤田奈那さんと元AKB48メンバー田野優花さんが出演してるからの様ですが盛況で良かったです。

 渡部さんのお陰で最前列のチケットをご用意いただき、多いに緊張しての観劇となりました。
 公演後に行われる森新吾さんと主要キャストによるアフター・トークを聞くまでは、ジョニー・デップ主演の映画『フロム・ヘル』やハリソン・フォード主演の映画『ブレード・ランナー』を思い出しながら観ていました。19世紀のロンドンの阿片窟を舞台にした娼婦が登場する切り裂きジャックのお話だったからです。ストーリー・テラーの女性以外は全く台詞がないダンス作品なので、観客の解釈は様々な物になるはずで、そこが自由で嬉しかった!というのが本音。高度な振付とダンサーのテクニック、クラシックを基調とした重厚な音楽、どれも素晴らしかった!ダンスの好きなタップ・ダンサー仲間にも絶対に見てもらいたい公演でした。8名の女性ダンサーが宝塚もAKBもプロフェッショナルも関係無く、振付師の要求するレベルまで完璧に上げてくる迫力に驚きました。われらが風花舞さんが言うには「自分の娘位の年齢の女の子達とほんと一緒に踊れるのかしら?」と思ったそうですし、最初舞台に登場された時は私でも流石に時代の流れを感じましたが、ひと度踊り出すと全盛期のまんまシャープでありながらも優雅な動きでした。来年の東京リズム劇場と同じ舞台を眺めながら「自分もお客様をガッカリさせないよう努力しなければ!」と思いました。毎日男性ダンサーがゲスト出演して森新吾さんに絡むのですが、私の回は夏の宝塚雪組公演『GATO BONITO』での見事な振付で、タカラジェンヌと我々観客を魅了した中塚晧平さんがゲストでした。これも見応えありましたよ。
 淺野康子さんがオススメの長澤風海さんのゲスト・ダンスも是非見てみたかったです。

 『ダンスカンタービレ』は実は『アクトカンタービレ』に通じる芝居の部分が大きかったです。時間があったらあと2回は観たいダンス公演でした。森新吾さんの今後の活躍を楽しみにしておりますね。
《カンタービレとは?》
カンタービレ(cantabile:イタリア語)とは、
「歌うように」「なめらかに」「自然に」「表情豊かにゆったりと流れるように」などの意味を表す音楽用語。
※写真の掲載は承諾を得ています。

天野 俊哉



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