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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1412 タップ・ダンサー加藤忠さんの舞台に行きました(後編)
 江戸川区鹿骨区民館で行われたフリーダンサーWakanaさんのダンス公演。前回に続きタップ・ダンサー加藤忠さんがゲスト出演しタップダンスだけでなく軽妙なトークも披露しました。

 さて、宝塚レヴューで言うところの中詰を担当するのはモチロン加藤忠さん。
 白いシャツをはおって登場して踊るは加藤さんの十八番“リベル・タンゴ”。今回はジブシー・キングスの“My Way”までメドレーで踊りますが、このタップの振付がなかなかハードで、見応えありました。しかもこの後、まさかのMCが。キツそう!彼は長年この曲“My Way”が嫌いだったエピソードを語りましたが、今では大好きになったとか?そのこだわりがまた素敵だと思いました。
 ここでWakanaさんを舞台に呼び込んで加藤さんとタップのデュエット。ここでの曲“Deine Augen -Deine Lippen”は、先月のハンドクラップ発表会で加藤さんの生徒さんが踊ってましたね。チェックのシャツにジーンズのラフな衣裳のWakanaさんのタップですが、中々タップダンサーには出せない雰囲気が魅力的でした。
 このガッツリとしたタップナンバーの後、プログラムにある“蝶々結び”という曲に繋げる加藤さんのトークが見事でした。実はこの“蝶々結び”はあくまで歌詞の部分のみでした。というのも踊るWakanaさんもKoukiさんも裸足でしたからね。
 木の板を運んできた加藤さん。首からはタオルをかけて、タップ・シューズは履いていません。最後のナンバー“いつかどこかで”はこんなドラマティックな設定で始まりました。バックにはストリングスの音楽が流れています。タップ・シューズをのせた椅子を舞台に運び、椅子に座り靴を履きます。ここで紐を結ぶ手を一度停めて、先程の“蝶々結び”のエピソードを思い出して丁寧に蝶々結びをし直す、加藤さんらしい然り気無い演出。このナンバーは派手さはありませんがタップ・ダンサー加藤忠の生きざまを感じさせる場面でした。
 白いワンピース姿のWakanaさんと白いスーツ姿のKoukiさんのラスト・ナンバーはビリー・ジョエルの“ピアノマン”。MCの加藤さんが歌詞を朗読して雰囲気を作ります。

 さて、最後に舞台上に並んだたった3人のダンサー。ここでWakanaさんから〈復帰公演〉の説明がありました。
 昨年秋のある日、いつもの様に舞台で踊っていたWakanaさんの体が急に動かなくなった!というこわい内容でした。その瞬間、これからどうなるんだろう?もうダンスは出来ないのか?普通の仕事なんて出来るのだろうか?等が頭の中を駆けめぐったそうです。実は私も8年前に交通事故にあった時、まさにその瞬間に同じ経験(コラムVol.208をご参照)をしましたのでWakanaさんの話に凄いショックを受けました。
 私も今では以前と同じ様に踊れますし、Wakanaさんも無事に回復したそうです。まだまだ若いのに随分苦労してしまったのデスネ。現在、Wakanaさんはフリーダンサーとして活躍しております。加藤忠さんと共に応援してゆきたいですね。
 終演後、場内に現れた加藤さんのもとに飛んでゆきました。少しお疲れのようでしたが、その表情からは充実したものが感じられました。
 素晴らしいダンス公演に満足して会場を後にしたは良いけれど、はてどのルートで帰るのか?あまりに寒くて歩きたくない。そのうち小岩駅行きのバス停にたどり着き、混んだバスに10分ほど揺られて小岩駅に到着しました。
 皆さまお疲れ様でした!

天野 俊哉


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