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Vol.1392 もうすぐ生誕100年池部良さん〜俳優<エッセイスト
 Y'sのコラムに長いこと君臨している《生誕100シリーズ》ですが「えっ、遂に終わるんですね?」なんて嬉しそうな声が聞こえてきそうですが、今年からリニューアルさせて頂きます。装いも新たに《もうすぐ生誕100年シリーズ》にです。
 「何がなんなのよ?」
 実はエンタメ界に1918年生まれの方が物凄く少ないのですね。映画界では、ウィリアム・ホールデンとリタ・ヘイワースが目立つ位でどうもパッとしません。あまり有名でない人を集めてもやっと20人位なのです。気乗りしない中、ではその翌年1919年生まれを調べていたらゾロゾロ出てきました!という事で、少し先取りをして行く事にしました。それだけです。

《池部 良》
 1918年生まれの池部良さんは日本の映画俳優。
 私達、昭和生まれの東宝特撮映画ファンの少年にとっては『宇宙大戦争』や『妖星ゴラス』に出ていた人!と言えば通じてしまいます。池部さんの代表作と言えば、石坂洋次郎原作今井正監督の『青い山脈』(1949)。
 映画版から25年後、今では息子さんの方が有名な志垣太郎さんと、娘さんの方が有名な故・坂口良子さんがテレビで『青い山脈』に主演しました。当時、テレビの番宣で志垣さん達が、映画版の池部良さん杉葉子さんと対談したのですが、池部さんが志垣さんの長髪にケチをつけたり、ネチネチ嫌なムードのまま番組が進行した事を覚えています。
 子供心にも「髪なんか切ればうるさく言われないのに!」と志垣さんを気の毒に思い、池部さんがうるさいオッサンなので嫌いになりました。
 その後、先の『青い山脈』、小津安二郎監督の『早春』、川端康成原作の『雪国』等の名作の数々を観ることで池部さんを少しずつ許していったものです。『青い山脈』では、すでに30歳過ぎて高校生を下手くそに演じていていましたし、『早春』と『雪国』では若くて美しい岸恵子さんとラブシーンですよ。もうゲラゲラ笑ってしまいました。
 今では志垣さんもうるさいオッサンキャラとして芸能界で生きているのだから、池部様様なのかも知れませんね。

 さて、池部さんと言えば俳優と共に優れたエッセイストとして有名です。もしかしたら俳優よりも優れているかも。あまりに面白いので何冊も読みあさってしまいました。そのエッセイによると天下の小津監督から「良や、お前セリフを覚えられない事で有名らしいな?」とかマイナス部分を指摘されまくったとか。ご自分で書いているのだから間違いない。そのくせ、東宝の若い新人女優に《司葉子》なんて素晴らしい芸名を付けてしまう。才能デスね。

 池部良さんが2010年に亡くなった時、追悼コラム(Vol.209)を書いておりますので是非そちらもご覧下さいね。

<池部 良 トリビア>
・その甘いマスクから“万年青年”と呼ばれ、実年齢が近い森繁久彌や藤田進の息子役を演じたことがある
・1960〜70年代の東映任侠映画「昭和残侠伝」シリーズで高倉健と敵対するニヒルな役を演じ、セリフの「ご一緒、願います」は流行語となった
・日本映画俳優協会の初代理事長を務めた
・1991年、『そよ風ときにはつむじ風』で第11回 日本文芸大賞を受賞
・2007年、初の池部良研究本『映画俳優 池部良』を出版。
同書の出版トークショーで「18歳の高校生役を演じた『青い山脈』の時、31歳でしたが・・・」との質問に対し、実は当時33歳だったことを告白した
・文筆業が中心となった後も「自分は(映画)俳優である」という意識を常に持っていた

天野 俊哉


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