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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1350 ミュージカル映画のDVD BOXついに発売(その3)
 書店で買えるコズミック出版のDVD BOXシリーズ。
 ついにミュージカル映画のシリーズ《ミュージカル・パーフェクト・コレクション》が今月から始まるのです。Y'sの皆さんが待ちに待った企画ですね。
 それでは、ミュージカル映画初心者向けに各々の作品の楽しみ方を書いてゆきたいと思います。

 その3では、ミュージカル映画というより音楽映画という方が相応しい作品を。
『オーケストラの妻たち』(1942)
 伝説のバンド・リーダー、グレン・ミラーと彼の楽団が出演した2本の作品のひとつですが、「どうしてこうなるの?」と叫びたくなる位酷い映画です。ドラマの部分に関しては、お世辞のひとつも書けません。当時、映画の試写を観たグレン・ミラー夫人は「たわごとよ!」と言い放ったそうな。
 ただし、グレン・ミラー楽団の演奏場面である
“ピープル・ライク・ユー&ミー”
“ビューグル・コール・ラグ”
“アイヴ・ガット・ア・ガール・イン・カラマズー”
は、どれも活気に満ちて素晴らしい!
 “カラマズー”には、ニコラス・ブラザーズがタップ・ダンスで華を添え大暴れしております。

『世紀の女王』(1944)
 ソニア・ヘニーというオリンピックの金メダリストを主役にしたアイス・スケート・ミュージカル映画で大成功した20世紀FOXに対抗意識を持ったMGMが、水泳界の名手で水着美人のエスター・ウィリアムスを主役にしたミュージカル映画を製作しました。エスター・ウィリアムスの華やかな水中バレエに加えて、コメディアンのレッド・スケルトン、スイング・バンドのハリー・ジェームズと彼の楽団、ラテンバンドのザビア・クガートと彼の楽団等が賑やかに顔を揃えたミュージカル・コメディです。レッド・スケルトンが白いチュチュを付けて踊る“くるみ割り人形”や女性の寝起きのパントマイム等が笑えます。
 私達の師匠である佐々木隆子先生が生前、橋爪麻美さんや淺野康子さんを従えて踊っていたハリー・ジェームズ楽団の“トランペット・ブルース&カンタービレ”の贅沢な演奏場面をここで観ることが出来ます。

『雲流るるままに』(1946)
 ブロードウェイ・ミュージカル『ショウ・ボート』の作曲で知られるジェローム・カーンの伝記映画。
 ジュディ・ガーランド、ジューン・アリスン
 リナ・ホーン
 フランク・シナトラ
等、MGMミュージカルの大スター達がゲスト出演して、ジェロームカーンの名曲の数々を歌い踊る超大作ミュージカル映画です。
 映画が始まって『ショウ・ボート』の劇中劇が20分近く続いたり、ジュディ・ガーランドの出演場面だけはヴィンセント・ミネリが演出したり、それに対抗して本当の監督が宇宙ステーションみたいな凄いセットを使ってフィナーレを展開したり、実はあまり一体感は無い作品ですが、天下のMGMだから許されてしまう?
 私は10代の頃に、大きなスクリーンで観ることが出来ました。とても懐かしい作品です。

最後に、コラムVol.1346で海賊映画DVDを取り上げましたが、そこに収録されていた
『浮かれ姫君』(1935)
と同じオペレッタ・ミュージカル
『ラブ・パレイド』(1929)
に触れない訳にはゆきませんね。とは言え、オペレッタ映画食わず嫌いの私はまだ観ておりませんので、昨年平凡社より発売された重木昭信著『ミュージカル映画事典』をチェックする事に。さすが重木さん、独自の解釈をされていて頭が下がります。
 名監督エルンスト・ルビッチ初のミュージカル作品、フランスから連れてきたモーリス・シュバリエの女性の相手役に「誰かいないか?」という事から、パラマウント・スタジオにあった過去のオーディション映像を監督自らチェックして探しだしたのが、後のハリウッドを代表するオペレッタ女優、ジャネット・マクドナルド!
 早く観たいものです。

 10月25日に発売される《ミュージカル・パーフェクト・コレクション》を3回に渡り取り上げました。
 オススメいたします。

天野 俊哉



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