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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1277 映画館で映画を観るということ
 何やら偉そうなタイトルですが、単なる思い出ばなしですので悪しからず。

 先日亡くなった松方弘樹さんのコラム(Vol.1209)で取り上げた東映映画「海竜大決戦」(1966)のDVDをやっと見つけました。
 若き日の松方弘樹さんと宝塚歌劇団月組トップスターの珠城りょうさんがよく似ているのにビックリしました。お二人とも端正な2枚目というわけですね。
 5歳の時に地元の亀有東映で観たあの場面この場面が甦りました。
 子供の時でさえ不思議に思った「何故、松方弘樹さんが化けるのが弱そうな蛙の怪獣で、敵役の大友柳太郎さんが化けるのが強そうな竜の怪獣なんだ?」の部分。蛙怪獣がボコボコにやられてしまい危機一髪。
 その危機を、ヒロインの小川知子さんが大蜘蛛に化けて蛙を助ける。結局、松方さんと大友さんは人間の姿に戻って刀で勝負を決めました。
 そうか、当時の怪獣ファンの少年たちの為にわざわざ怪獣に変身した訳ですね。
 間の抜けた怪獣よりも、大友柳太郎さんの目じからの方が何十倍も怖かった!

 この「海竜大決戦」のDVDに並んでお店にあったのが「ガンマー第3号宇宙大作戦」(1968)なる作品。
 観ましたね、これも亀有東映でした。
 キャストが日本語ペラペラのアメリカ人ばかりの東映映画、しかも監督は深作欣二監督。着ぐるみのエイリアンはチープなのに、宇宙隊員達が殺される場面の残酷さはまさにヤクザ映画。さすが深作監督だ。当時はまだ月刊まんが誌だった「ぼくら」に映画のまんが版が掲載されていましたっけ。

 さらに「復刻!東映まんがまつり1968夏」なるDVDもありました。1968月7月21日から7月31日まで東映の映画館で上映された子供向けの番組とあります。
 スタッフに宮崎駿さんらの名前が見られる長編まんが「太陽の王子ホルスの大冒険」をメインに、「ゲゲゲの鬼太郎」「魔法使いサリー」「ウルトラセブン」等、当時のテレビの人気番組の4本立て。
 私は7歳でしたが、この夏休みの事は鮮明に覚えてますね。夏休み直前に、小学校の入口で亀有東映の人がまんがまつりの入場料割引ワッペンを配布していたのでした。私はこの割引ワッペンを持って名古屋から遊びに来ていた従姉と観に行きました。
 映画館の並びにあった耳鼻科で扁桃腺の手術をしたのもこの夏休み、そして従姉にくっついて初めて名古屋に行ったのもこの夏休みでした。
 名古屋では、1968年の夏に大型の台風が直撃。
 そんな台風の中、伯父は従姉と私を連れて映画鑑賞に出掛けました。
 私はゴジラをはじめ沢山の怪獣が出てくる東宝の怪獣映画「怪獣総進撃」を観たかったのですが、ビルの1階にあるその東宝の映画館だと大雨で危険だろう、という伯父の判断で、ビルの上階の映画館で上映していたアメリカ映画「2001年宇宙の旅」を観る羽目になってしまいました。映画史上の名作である「2001年」も、当時7歳の私には地獄でした。
 現在では書店でもDVD販売されている「怪獣総進撃」ですが、その時の台風が怖かったせいか?はたまた大雨が怖かったせいか?トラウマになっているのか、いまだに観ておりません。
 テレビ、ビデオ、DVDで映画を簡単に観ることが出来る時代ですが、映画館で観た映画の内容は忘れても、誰がどうだったかみたいな様々な貴重な想いでがよみがえってきました。
 皆さまもぜひ大切な方と映画館に行かれてはいかがでしょうか?
 素敵な想い出が作れますよ。
 おわり。

天野 俊哉




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