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Vol.1260 ベンジーがいっぱい

　あるDVDを探している話は以前このコラムに書きましたが、思わぬ展開をみせています。
　「全然興味ない？」
　まあ、そうおっしゃらずに。
　実は、様々なベンジー映画のDVDが次々と私の前に現れるのです。
　先ずは、ひばりヶ丘駅前のお店。多分30年位前にはレンタル・ビデオ店として大繁盛店だったのが、20年位前にレンタルDVD店に、そして10年位前からは中古DVD店として細々と生計をたてている！そんな感じのお店。現在では、来店客の殆どがAV購入者。あくまで私の推測でありますが。
　店主のこだわりからか、ハリウッド映画の名作ビデオコーナーがお店の一画にあったりします。
　今回、滅多に覗かないファミリー映画コーナーに目をうつすと「ベンジーの愛」なる文字が飛び込んでまいりました。
　表パッケージ写真のワンちゃんがカワイイ！
　さっそくパッケージを裏返して解説を読むと1974年の映画「ベンジー」の続編で、ベンジー（ヒギンズ）の娘ベンジーンがベンジーを演じる？
　よくわからない。
　お店の中で（コラムVol.884）の「ベンジー・トリビア」を見る勇気を持ち合わせていない私は、すぐにレジに向かい￥639で購入しました。
　帰宅後、直ぐにひとり鑑賞会を開きました。
　「ベンジーの愛」は1977年の作品で、スタッフにはジョー・キャンプ監督とトレーナーのフランク・インの名前があります。
　フランク・インの愛犬ヒギンズの2代目のベンジーンは、本当にパパ犬にそっくりです。
　俳優では、1960年代の人気テレビ・シリーズ「ペイトン・プレイス物語」のハンサムなエド・ネルソンの名前があります。
　凄いのは主題歌を当時の大歌手アンディ・ウィリアムスが歌っちゃってる事と、ギリシャのクレタ島ロケをしている事。ただ、アンディの歌は心地好く感じるものの、わざわざギリシャまで行かなくても？とは思いました。だってギリシャの石畳みたいな坂道がいかにも走りずらそうで。さらには、ギリシャの名所、クノッソス宮殿の遺跡にしても、小さなベンジーと比べようもなく、遠景で見るしか楽しめません。
　それでも、お腹をすかせたベンジーが肉やの太った店主の隙を見て、繋がったソーセージをくわえて逃げだし、市場を大混乱させ、町中を走り回る場面はロケーションの効果が出ていました。また、大きな肉を頬張っている大型犬に「私にも少し頂戴よ」と、すりよってく演技がお見事。ラストは、ティファニーちゃんが出産した3匹の仔犬が登場したり、あくまで愛らしい創りは流石でした。

　5日後、私は京急蒲田駅前から北に延びるアーケードにある中古ビデオ＆DVD店を目指しました。物凄い量のDVDがあるのですが、お目当ての作品は見つかりませんでした。諦めかけて、お店の外の段ボール箱にはいっている￥180均一のDVD物色しました。レンタル落ちのDVDを、紙パッケージだけで売られています。すると出てきましたよ
「ラブいぬベンジーはじめての冒険」（2004）なる作品が。
　一体ベンジーって何匹いるのだろう？
　監督のジョー・ギャンプ以外は全く新しい名前が並んでいますし、主役のベンジーももはやフランク・インの愛犬ヒギンズとは血縁関係がないそうです。
　2004年なんて時代にも関わらずCG等は一切使用していないそうです。
　テリアにも色々な種類があるのでしょう、あくまでベンジーの名前を使用した別の愛犬映画みたいな作品でした。ベンジーを追いかけるバカな二人組がベンジーや仲間の動物にコテンパンにやられる痛快な仕上がりでした。

　特典映像で、ジョー・キャンプ監督の作品リスト見ると「ベンジーと名探偵」なんてタイトルが出てきました。
　まだあるのですねぇ。
　気になる！わん。

天野俊哉