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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.1144 ♪もうすぐ17歳〜シャーミアン・カー追悼
 1960年代のミュージカル映画大作「サウンド・オブ・ミュージック」で、ゲオルク・フォン・トラップ大佐の長女リーズルを演じたシャーミアン・カーが亡くなりました。
 「サウンド〜」と言えば、「2007年の東京リズム劇場」のタップ名作劇場で、演出の松本せんせが見事なパロディ・ミュージカルを創りました。その時、リーズルを演じたのは、お美しいみすみ“Smilie”ゆきこ先生でした。ちなみに恋人の電報配達ロルフ役は我らがオッシー。
 自分達が演じるという事で、当時発売されていた「サウンド〜製作40周年記念」DVDを購入しました。そのDVDの特典映像に、2005年当時の出演者が登場したのですが、主演のジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマーを始めその殆どが顔を揃えたのには驚きました。
 現在、製作50周年にあたりますが、それでもリーズル役のシャーミアン・カー、大富豪エルザ役のエリナー・パーカー、修道女ソフィア役のマーニ・ニクソン(コラムVol.1108をご参照)を除けば皆様お元気の様です。
 さて、映画製作当UCLAの学生で22歳のシャーミアンが、“もうすぐ17歳”を歌うために16歳の娘を演じました。
 他の子供達は、そのまま子供の年代だった事から、撮影中は子供嫌いで、子供達の輪から離れていたクリストファー・プラマーと行動を共にする事が多かったそうです。また、屋敷の離れでミュージカル・ナンバー“もうすぐ17歳”を撮影中にガラスに足を突っ込み大怪我を。白い包帯をしたままの姿がスクリーンに残ったそうです。
 私は14歳の時に、銀座の映画館で「サウンド〜」を観てから、リズム劇場で演じるまでこの作品を観ませんでした。実のところ、私や松本せんせが本当に好きなミュージカル映画は、それ以前の1930年代から50年代に製作されたものなのですね。
 それでも、「サウンド・オブ・ミュージック」の中で私が最も好きな場面、好きなミュージカル・ナンバーこそは、シャーミアン・カーが歌い踊った“もうすぐ17歳”であり、40年たった今でもそれは変わっておりません。
 73歳はまだまだお若い。シャーミアン・カーのご冥福をお祈りいたします。

写真 上から
・とても16歳には見えないシャーミアン・カー。監督のロバート・ワイズが「本名のシャーミアン・ファーノンでは名前が長い」ので一音節の姓のリストをシャーミアンに提示したところ、彼女が選んだのがカー(Carr)だった
・トラップ一家とマリア勢揃い。本作はあくまでマリア・フォン・トラップの自伝を“基にしたミュージカル”を“基にした映画”であり、史実と異なる点は多々ある
・ガラス張りで確かにキケンな恋人ロルフとのダンスシーン
・人形劇で歌われるのは“ひとりぼっちの羊飼い”。右端にシャーミアン
・製作40周年記念でクリストファーの肩に手を置くシャーミアン(後列左端)。後ろには懐かしい人形たちの姿
・製作50周年記念では、残念ながらシャーミアンの姿は無く

天野 俊哉




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