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Vol.114 気になるDVD情報
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その1 「ローマの休日」以前のオードリー・ヘプバーンの映画
「ローマの休日」が全世界で公開され、トップ女優の地位を築いたオードリー・ヘプバーン。彼女はハリウッドでブレイクする以前に、何本ものヨーロッパ映画に出演しています。今年、オードリー生誕80周年という無理矢理なこじつけで、今まで全く紹介されなかった2本のイギリス映画「素晴らしき遺産」「若妻物語」が、6月28日に発売されました。どちらもタイトルに“オードリー・ヘプバーンの”と付けられているにも関わらず、脇役です。
これまでにも「モンテカルロへ行こう」「ラベンダー・ヒル・モブ」「初恋」などDVDでも発売されていましたが、どの作品を観ても共通するのは、ハリウッドのパラマウント映画社の持つメイクアップ技術、イーディス・ヘッドら一流デザイナーによる衣裳、そしてウィリアム・ワイラーやビリー・ワイルダー監督らのすぐれた演出が伴わないと、さすがのオードリーも地味です。そして決定的なのが、魅力的な相手役の存在でした。グレゴリー・ペックやウィリアム・ホールデンのように、彼女よりもぐっと背の高いハンサムな男優か、若くなく背が低くてもハンフリー・ボガートやフレッド・アステアのように存在感のある男優がいないと輝かないのですね、彼女は。あらためてハリウッド映画の持つマジックを強く感じました。
その2 フレンチ・ミュージカル「ロシュフォールの恋人たち」ついにDVDに !!
私は映画興行のシステムについてはそれほど詳しくないのですが、DVD販売を前提とした映画館上映はかなり多いようです。2月に渋谷シネセゾンで長期間上映されたフレンチ・ミュージカルの名作「ロシュフォールの恋人たち」(コラムVol.98)と「シェルブールの雨傘」が7月17日にDVD発売されます。カトリーヌ・ドヌーブ主演、ジャック・ドゥミ監督、ミッシェル・ルグラン音楽のコラボということで、他に「ロバと王女」「モン・パリ」の2本も発売。初DVD化の「モン・パリ」は有名なシャンソンと同じタイトルですが、コメディですので、念のため。ドヌーブと名コンビと言われたマルチェロ・マストロヤンニとの共演ですが、出来はあまりよくありません。
前にも書きましたが、このコラムを読まれている方は、ダンスたっぷりの「ロシュフォールの恋人たち」だけで充分でしょう。特典としてドゥミ監督の妻、アニエス・バルダ監督による「25年目のロシュフォールの恋人たち」という作品が付くので楽しみです(ハピネットという会社から\4,935で発売)。
その3 ジャック・ドゥミ監督 幻のミュージカルのコト
ハピネットから4本ものDVDが発売されるドゥミ監督ですが、別の会社(紀伊国屋書店)からもドゥミ監督の初期の作品集がDVD BOXで発売されるなど、一気に露出度が増した感じです。
今回、残念ながらDVD化のタイミングを逃してしまったのが、ドゥミ監督の遺作となった「想い出のマルセイユ」です。実は、これぞ“第2のロシュフォール”とも言えるミュージカルなのです。音楽はミッシェル・ルグラン、振付はマイケル・ジャクソンの「スリラー」を手がけたマイケル・ピータース。主演は、歌手として、俳優として有名なイヴ・モンタン。相手役は、当時「ネイキッド・タンゴ」でセンセーショナルな役を演じたマチルダ・メイ。モンタンの半生を舞台化するといったストーリーなので、劇中劇のミュージカル・シーンもさることながら、町の人々が急に踊りだしてしまうダイナミックなダンスシーンが見事です。
今から20年前、1989年11月、銀座のシャンテ・シネで上映されました。DVD化される時は、必ずこのコラムでお知らせしますね。
天野 俊哉
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