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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.98 遂に登場!!「ロシュフォールの恋人たち」渋谷で上映
皆様は年末年始をどのように過ごされましたか?
私は相変わらず映画ざんまいでした。自宅では友人から借りたアボット&コステロ(1940年代アメリカで最も人気のあったコメディ・チーム)のDVD、16作品を観まくり、映画館では新旧フランス映画にどっぷりでした。<日仏交流150周年>ということで、池袋・新宿・渋谷で特集が組まれ人気も上々のようでした。何を言っているのかわからなくても心地よいフランス語。フランス人が母国語以外を全く受け付けようとしないのも納得できますね。
そして1月中旬よりシネセゾン渋谷では、フレンチ・ミュージカルの名作がリバイバル上映されます。ジャック・ドゥミ監督+ミッシェル・ルグラン音楽+カトリーヌ・ドヌーブ主演による「ロシュフォールの恋人たち」(1967)を、今度こそ皆様が大きなスクリーンで観ることの出来るチャンスです。

「ロシュフォールの恋人たち」は、カトリーヌ・ドヌーブと彼女の実姉フランソワーズ・ドルアックを中心に、戦前からの人気女優ダニエル・ダリュー、当時の新星ジャック・ペラン、そしてアメリカからジーン・ケリーと、「ウエスト・サイド物語」のジョージ・チャキリスが出演してしまうという、ハーレムのソウル・フードか、長崎のトルコ・ライスばりのてんこ盛り。
ミッシェル・ルグランのド派手な音楽にのせて、帽子から靴までオール白という衣裳で踊るダンス・ナンバーにびっくりするはずです。“巴里のアメリカ人”として、フランスでは絶大な人気のあるジーン・ケリーの出演が、この作品のハイライトでもあります。たぶんジャック・ドゥミ監督の希望なのでしょう、「巴里のアメリカ人」の“I Got Rhythm”のナンバーを思い出させるダンスが登場したり、ジーンとフランソワーズ・ドルアックの愛のデュエットでは、“Our Love Is Here to Stay”の時と同じ振りがたっぷり使われています。ジーンの出演するシーンだけが、ハリウッド・ミュージカルへのオマージュになっていて、そこがロマンティックで素敵なのですが、吹き替えのフランス語の声がやたら若かったり、彼のファンであっても思わず笑ってしまいます。
2008年の「東京リズム劇場」のフィナーレでは、松本晋一さん振付のタップ・ナンバーとしてこの「ロシュフォール」のテーマ曲が10分近く使われていましたが、映画よりもはるかにセンスの良い振付でした。
同時にリバイバル上映される「シェルブールの雨傘」は、中学生の頃映画館で観たとき、そのムードに全く入っていけなかったことに加え、ダンスシーンが無く、セリフが全て歌になっていることから、近年ビデオで見直すまでずっと苦手な作品でした。「ロシュフォール」とは全く逆の作風ですので、残念ながら好き嫌いがはっきりしてしまうかもしれません。もちろん、「シェルブール」の方が良い作品だと思う方も多いはず。
今回、デジタル・リマスター版での上映ということで、そろそろDVDとして日本でも発売されるのかも知れませんね。それにしてもスクリーンで再会できるとは、新年早々、ものすごいサプライズです。

ジーン・ケリーつながりということで、本の発売情報を。
ハリウッド・ミュージカル映画の日本版ポスターを集めた本「S'Wonderful“Musical”the Graphic Work 華麗なるミュージカル映画の世界」(開発社、大山 恭彦/根本 隆一郎編、\4,600)が年末に発売されました。
さすがに高価なので書店でパラパラ眺めただけですが、何と現在の天皇陛下が皇太子時代1953年に御訪米され、ジーン・ケリーと握手をしているという珍しい写真(P.168下段)が掲載されていて、もうびっくりしました。今、一番欲しい本です。

天野 俊哉





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