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Vol.987 生誕100年記念スターリング・ヘイドン〜名監督に恵まれた大根役者
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先の「東京リズム劇場」で〈ピンクのバスローブ姿〉が好評だった橋爪麻美さんと〈ナイフを持ってニヤリ〉が好評だった天野。半年間必死にタップの稽古をしてきて「そこですか?」とも思えるのですが、話題にならないよりはるかに幸せです。私達二人に共通しているのは〈演技〉以前である事。あれは松本晋一さんの台本ときめの細かい演技指導がただただ良かったのです。
さて、今年生誕100年を迎えるスターリング・ヘイドンは、ハリウッド映画で犯罪ものや西部劇で活躍した俳優ですが、彼もまた監督と役に恵まれた人です。
ジョン・ヒューストン
ニコラス・レイ
スタンリー・キュブリック
ロバート・アルトマン
そしてフランシス・フォード・コッポラ
これだけの名監督の作品に出演していながら、彼の演技はまるで目立ちません。周りが上手すぎるからでしょうか。
例えばジョン・ヒューストン監督の「アスファルト・ジャングル」でヘイドンは一応主役ですが、話を進めてゆくのは共演陣。さらに今日では脇役のマリリン・モンローが一番の有名人。
ずっと後年、エリオット・グールドの名探偵フィリップ・マーロー役が光った「ロング・グッドバイ」で我らがヘイドンはアルコール中毒の作家の役でしたが、ロバート・アルトマン監督の演出のお陰か?
少しだけ良い印象を残しました。
セリフもラブシーンもぶっきらぼう、ただそこに突っ立っているだけですが、私はこのスターリング・ヘイドンの存在感が実は好きです。
フランク・シナトラが大統領暗殺者を演じた「3人の狙撃者」にしても、早々と腕を撃たれた保安官役のヘイドン。それでも「ヘイドンなら必ずこの危機を救えるだろう!」と観客を納得させてしまうのです。案の定、フランク・シナトラをやっつけ暗殺を阻止して、ラストシーンはヘイドンの笑顔で飾るのです。
ちなみにあの名作「ゴッドファーザー」にも出演していたそうですが、全然記憶にありません。
もう何回も観ているのですがね。
写真 上から
寡黙なやさしさを感じさせるスターリング・ヘイドン
「アスファルト・ジャングル」でマリリンにつれなく背を向けるヘイドン
息が酒臭そうな「ロング・グッドバイ」のヘイドン
「3人の狙撃者」で凶悪なシナトラに銃を突き付けられて絶体絶命の手負いのヘイドン
実直な保安官役が実によく似合うヘイドン
「3人の狙撃者」のエンディング
「ゴッドファーザー」でアル・パチーノに頭を打ち抜かれる汚職警官マクラスキー警部役のヘイドン
天野 俊哉
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