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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.97 オススメDVD 2
「踊るブロードウエイ」(1935・MGM映画)
ジュネス企画という会社から毎月クラシック映画のDVDが発売されていますが、どれ位売れているのでしょうか、知りたいものです。
さて今回は、エレノア・パウエル主演のタップダンス・ミュージカルです。1935年当時、他の映画会社よりも一歩遅れをとっていたMGMは、まったく新しいスタイルのミュージカルを作ろうとして、ブロードウエイの舞台で踊っていたタップダンサーのE.パウエルをスカウト。バラエティに富んだキャストをそろえ、その第一弾となったのがこの作品です。音楽スタッフには、以降MGMミュージカル(「雨に唄えば」「イースター・パレード」etc)の要となるアーサー・フリードとロジャー・イーデンスが含まれています。
E.パウエルは、タップだけでなくバレエでも相当のテクニックを見せています。アカペラのタップもフィナーレ“Broadway Rhythm”のタップも、MGMの手にかかると、こうも金ピカに見えるのかと思えるほど豪華です。どのダンス・ナンバーもすごいので、逆にパウエルがヴェルマ&バディ・エブセンと3人でアパートの屋上で唄い踊る“Sing Before Breakfast”のナンバーが新鮮かも知れません。タップの使い方が気持ち良く、3人が屋上からフェード・アウトするまで出色の出来です。エキセントリックなスタイルのエブセンは、公園のナンバー“On the Sunday Afternoon”では奇妙な衣裳とともに、あまりに古めかしいステップでがっかりしました。74年も昔の作品ですが、今回見直してみて私などはニック・ロング・ジュニアというダンサーの動きに注目しました。タップは踏めないようですが、シャープな身のこなしやアクロバティックなダンスは、まさしくFlash Actです。ジューン・ナイトとのエレガントでスピードのあるデュエットは、近年の「バーン・ザ・フロア」も負けています。
私はこの作品を大学生の時、佐々木隆子先生と一緒に観ています。大丸百貨店で中川三郎先生の展示会があったときに上映されました。E.パウエルのすばらしいタップに身を乗り出して観ていた先生の姿が懐かしいです。

「世紀の女王」(1944・MGM映画)
1930年代、世界中で人気の高かったターザン映画が第二次世界大戦のあおりを受けて制作中止、ターザン俳優達は契約解除になり、MGMにはものすごく広いプールだけが残されました。「このプールで何か作れ」という指令のもと企画されたのが、エスター・ウィリアムスの“水着美人”ミュージカルでした。E.ウィリアムスはオリンピックの水泳選手出身で美人でしたが、歌も踊りもダメというわけで、MGMはバラエティに富んだキャストをそろえました。
当時、大人気であったスイング・ジャズのハリー・ジェームス楽団、ラテンのセヴィア・クガート楽団、オルガンのエセル・スミス。とかく平凡になりがちな演奏シーンもMGMのハイセンスなカメラワークで目を楽しませてくれます。そして傑出しているのがウィリアムスの相手役のレッド・スケルトンです。主役を務めるだけでなく、彼本来のパントマイム芸の見せ場が盛りだくさんで、女性の寝起きのパントマイムと、チュチュをつけてバレエのレッスンを受けるシーンが最高に面白いです。もちろんフィナーレにたっぷり用意されているウィリアムスの“Water Ballet Sequence”は振付も音楽も見事です。
男性が女子高に入学してしまうなどというナンセンスな話ですが、制作されたのが戦争中の昭和18年であったことを考えると、まったく戦争色を感じさせないこのミュージカルには脱帽としか言いようがありません。
両作品とも税込\5,040です。

天野 俊哉





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