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Vol.967 生誕100年ワイルド&ベイスハート〜1950年代のハリウッド映画2枚目俳優
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フランク・シナトラほどの有名人ならY'sコラムで取り上げても「天野も物好きだな」と呆れられてスルーでしょうが、例え生誕100年であってもコーネル・ワイルドとリチャード・ベイスハートみたいな古い映画俳優では「そんなやつ知らないよ!」と文句が出るかも知れませんね。
実は私が昨年観たハリウッド映画の中に《究極の映画》というのが2作品ありました。
ただただジャングルを走り回るだけの映画「裸のジャングル」と、ビルから飛び降りようとしている男を説得するだけの映画「十四時間」です。それらの主演俳優がそれぞれコーネル・ワイルドとリチャード・ベイスハートでした。
DVDを観ながら「よくぞこんな映画を作れたな?」と思いました。
また、主演した二人にも「よくぞこんな映画に出られたな?」と思いました。
オリンピックのフェンシング選手出身のコーネル・ワイルドは甘い2枚目役が多かったのですが、「剣豪ダルタニアン」では得意の剣を器用に使いカッコ良かったです。40歳を過ぎて製作や監督等の裏方に転向してしまいました。その代表作が「裸のジャングル」(写真@〜C予告編)というのでわざわざDVDを購入したのですがね。
失敗でした。
もう一方のリチャード・ベイスハート(写真D)は本当に地味な俳優です。イタリア映画の名作「道」にも出演しているそうですが全く記憶にありません。
そんな中、先にあげた「十四時間」だけは何となく無視の出来ない作品でした。というのも高いビルから飛び降りようとしているリチャードを地上から見上げている若者たち(当時の新人俳優がエキストラ出演)に興味を持ったからです。
ジェフリー・ハンター(写真E)、デボラ・パジェット(写真F)そしてグレース・ケリー(写真G)。
のちにスターになった人達ですね。
こんなエピソードがあります。当時、ゲイリー・クーパー主演「真昼の決闘」でクーパーの若い妻役を探していた製作者スタンリー・クレーマーが、やはりこの作品のグレースを見初め、そしてキャスティングを決めたそうです。もしリチャードを見上げなければグレースはモナコ后妃になることも無かった!というわけですね。
リチャード様様では無理矢理ですかね?
年末に実家に帰った時、愛読書だった「映画人名事典」が出てきたのでページをめくっていました。そこで彼等が1915年生まれである事を知り、取り上げた、という訳です。
誰一人待っていないであろう《生誕100年シリーズ》ですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします!
写真右 上から
「剣豪ダルタニアン」(Sons of the Musketeers 1952)でダルタニアン役を颯爽と演じるコーネル
リチャード若かりし頃の宣材写真
「道」(La Strada 1954)で綱渡り芸人イルマット役を必死に演じるリチャード。
右は“映像の魔術師”の異名を持つフェデリコ・フェリーニ監督
写真下 左から
@AB
CDE
FG ・「道」(NHK総合放送時)でのリチャードの吹き替えは愛川欽也氏
天野 俊哉
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