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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.96 あの人が?こんな役で!
映画会社との奴隷の様な7年契約に縛られていた往年のハリウッド・スター達は、クラーク・ゲーブルやロバート・テイラー、ベティ・デイビス、ハイフリー・ボガードなどといったドラマの大物スターでも、出演したくないミュージカル作品で歌い、踊らされていました。
先日無くなったポール・ニューマンは、スター・システムとは無縁の人だったせいか、長い映画人生の中で歌い踊ったことは一度もありませんでした。よってY'sの追悼コラムには出演できなかったわけです。
そんな悪条件から解放された現代のスターの中には、別にミュージカル・スターでもないのに自分から進んで歌い踊ってしまった人達がいます。

<ジョニー・デップ>
「パイレーツ・オブ・カリビアン」の大スターも、デビュー当時はホラー映画で無残な死に方をしたり、TVシリーズで無駄な刑事役をやらされたり苦労したようです。とは言え、あのルックスですから、アイドルとしての人気はNo.1でした。トム・クルーズやチャーリ−・シーンのようなごく当たり前の二枚目で終りたくなかったジョニーが選んだのが、ジョン・ウォルタース監督の「クライ・ベイビー」(1990)でした。世界一下品な映画「ピンク・フラミンゴ」(ホントにひどい映画!!)の監督作品に出演して生まれ変わろうとしたそうです。ロック・バンドのボーカリスト出身でもあり、近年「スウィニー・トッド」では美声を聞かせていたのに、この「クライ・ベイビー」では口パクでした。ジョニーをはじめ、スタッフ・キャストの多くが前科者というすごい顔ぶれによって作られたロックン・ロール・ミュージカルは、甘くなく、ハート・ウォーミングでもない作品となりました。「クライ・ベイビー」を観て、あのティム・バートン監督が「シザーハンズ」の主役にジョニーを決めたというオマケが付きました。

<ユアン・マクレガー>
「スター・ウォーズ」シリーズの大スターで、近年渋みを増した良い役者になってきました。そんなユアンですが、子どもの頃から得意だったのが、エルビス・プレスリーのレコードをかけて「エルビスの様に歌い踊る事」だったとか。劇団員の頃、TVドラマ「カラーに口紅」(1992)で「エルビスの様に歌える無名の役者」を捜していたプロデューサーの目に止まりました。何というラッキーボーイ。軍の施設で退屈なデスクワークをしているユアンの、妄想のシーンがすべてミュージカル・ナンバーで、その展開のみが楽しいというちょっと出来の悪い作品でした。近年「ムーラン・ルージュ」(2001)でも歌っていましたが、残念ながらエルビスの時ほど、はじけてはいませんでしたね。

60代、70代になっても映画で活躍しているハリウッド・スター達。TVで古い映画を観ていると、偶然彼らの若い頃に出会う事が少なくありません。

<「ポセイドン号」を転覆させた男>
レオ様の「タイタニック」よりも前に、大型客船がひっくり返るパニック映画として有名だったのが「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)。当時のオールスター・キャストで、今観ても良く出来た作品です。
さて、このポセイドン号の船長役が、何とあのレスリー・ニールセン。現在では「裸の銃を持った男」のフランク・ドレビン警部など、おバカ映画のキング。船が波にのまれる時の彼の表情など、真面目に演じているのに、あの、おバカ演技がダブってしまい、もう笑いが止まりませんでした。興味のある方はレンタルして是非二本立てで観てください。


<オードリー・ヘプバーンを殺そうとした男>
オードリー・ヘプバ−ンの珍しいサスペンス「暗くなるまでまって」(1967)。盲目のオードリーを追い詰めるサイコチックな殺し屋を演じていたのが、アラン・アーキン。近年「リトル・ミス・サンシャイン」でのユニークなおじいちゃん役でアカデミー助演男優賞を受賞しました。
かわいい孫娘に奇妙なダンスを教えるチャーミングな演技のインパクトが強く、オードリーを殺そうとする人に見えず苦労しました。レンタル二本立てで見比べてみてください。



<ストリップをしながらタップを踏んだ男>
悪役などアウトローな役で有名なクリスファー・ウォーケン。名前を知らなくても一度見たら決して忘れることのできない個性派。若い頃「ディア・ハンター」でオスカーを受賞してからドラマひとすじと思いきや、何とスティーブ・マーティン主演の日本未公開ミュージカル「ペニーズ・フロム・ヘブン」に出演していました。
ドラマの役者達が口パクで歌ったり踊ったりする映画の中で、唯一プロっぽい動きを見せているウォーケン。実は彼だけがタップ・ダンサー出身。ストリップをしながらタップを踏むという迷シーンで、切れの良いターンや、カウンターに飛び乗る動きはさすがダンサーあがり。近年「ヘアスプレー」で25年ぶりミュージカルに出演しました。こちらも是非二本立てで。

天野 俊哉





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