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OUR MASTER : 佐々木 隆子
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Vol.940 (祝)シネマヴェーラA四人の巨匠監督作品
 まず第一週12月19日から25日までのラインナップに目を向けると、実にうまい具合に二本立てとして並べてあります。
ジョン・フォード監督
「血涙の志士」
ジャン・ルノワール監督
「獣人」
アルフレッド・ヒッチコック監督
「バルカン超特急」
「巌窟の野獣」
オーソン・ウェルズ監督
「偉大なるアンバーソン家の人々」

 四人の巨匠の監督作品を取り上げていますが、私はサイレント時代のフォード監督作品「血涙の志士」は観ておりません。
 ルノワール監督フランス時代の「獣人」は、若き日のジャン・ギャバンと後年「キャット・ピープル」でカルト的存在となるシモーヌ・シモン主演。
 この「獣人」と「バルカン超特急」は共に機関車が大活躍する映画。うまいカップリング(初日)だなあ〜と感心しました。
 そしてヒッチコック監督の「バルカン超特急」。
 日本ではなんと1970年代に初公開された作品。ヒッチコック監督がハリウッドにわたる前イギリスで製作した傑作です。大スターは出演していませんが、ヒッチコック作品らしいハラハラドキドキの連続で、とても面白いですよ。
 もうひとつのヒッチコック監督作品「巌窟の野獣」は、先日亡くなったモーリン・オハラのデビュー作品、もしくは名優チャールズ・ロートンの怪演が記憶に残る位で、ヒッチコックらしい場面はあまり思い出せません。撮影中ヒッチコックとロートンがうまくゆかなかったというエピソードを本で読んだ事がありますが、そりゃそうだ!と思いました。
 フォード、ルノワール、ヒッチコックの三人は共に1800年代末に誕生しサイレント時代から活躍しました。
 残るオーソン・ウェルズははるかに若く1915年誕生。
 1941年の「市民ケーン」に続いて製作した「偉大なるアンバーソン家の人々」は残念ながら名作とか傑作とは言えない作品だと私は思います。
 と、いうのも映画会社はウェルズ監督を無視して、映画を半分くらいの長さにカットしてしまったのです。かなりの大作なのに残された場面はまるで予告編の様です。さらに老け役であるはずのジョセフ・コットンもドロレス・コステロもメイクが中途半端で頂けません。ただひとりアグネス・ムアヘッドのみが名演技を残しています。コットンは「市民ケーン」では情けない位見事に老けていたのに残念。
 多分、大幅なカットにより話がつながらない事で付け加えたのか?ウェルズ監督のナレーションがひときわ活きている作品です。
 この作品の日本初公開は1980年代でした。カットされた50分以上のフィルムは現存しないとの事です。

シネマヴェーラ渋谷公式サイト http://cinemavera.com/index.html

天野 俊哉




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